ここだから出来ること

こんばんわ!

中澤やすゆきです!

倉渕町にある小学校は1つなので、中澤家のように奥地の子供も銀座通りに住んでいる子供も町内各方面から集まってきます。登校手段も様々で、学校の近隣に住んでいれば歩きの子もいますが、場所によってバスやタクシーを用意していただき登校しています。

以前は歩くことも大事だと思っていましたが、最近は毎週のように熊の目撃情報が報告されていますので、バスやタクシーは安全に登校できる手段として有難く感じています。

僕が自宅から作業場に向かう道中から、中澤家の子供が待っているバス停が見えます。直線距離で100mくらいなので、時間があえば

「行ってきまーす」「行ってらっしゃーい」

と手を振り言葉を交わせるくらいです。

なので時には、

「ばーちゃんに言い忘れたんだけど、4時頃迎えに来てくださいって言ってもらえるー?」

と大声で子供から頼まれることがあります。そこそこ大事な内容で、もし僕がここを通らなかったらどうするつもりだったのかと思いますし、聞かれて困る内容ではありませんが個人情報ではあります。

でもこれが僕の愛する町の様子です。他に騒音なども特になく、聞こえてくるのは鳥の鳴き声くらいなので声がよく通ります。近所の方々もこの様子を温かく見守ってくださる、こんなことが出来るのも倉渕の魅力、倉渕だからこそ出来ることだと感じます。

僕のことになりますが、「中澤ブログ生活」も2020年5月16日(日)に開始、毎週日曜日に更新して5年目になり、今回で219回目の投稿になります。これも読んでくださる皆様と支えてくださる方々のお陰様だと心底感じております。

最初の頃と言いますか、少し前までは事前にブログをつくっておいて、日曜日に見直しをして投稿していたのですが、最近では少し変わって日曜日に書くようになりました。その方が言葉を作り過ぎなくなりますし、1週間の終わりでもあり始まりでもある日曜日に気持ちを整理できると感じるからです。

場所もどこでもいい訳ではなくて、倉渕じゃないと頭が働かないことに気付きました。子供の送迎の待ち時間に考えようと思ってもどうも捗らなくて、家に帰ってくると子供が騒がしくても集中できるんです。不思議には感じますが、やっぱり倉渕という場所が自分にとって心が落ち着く場所なのだと思います。

今作業場では、中澤建設の建具部門で大きな役割を持つ事業の計画と準備を建具職人のともさんと一緒に行っています。その内容は、木製開戸(ドア)や木製引戸と言った”建具”とその建具を取付ける”木枠”をセットにして中澤建設の作業場で製作するということです。

中澤建設の例で言うと、今までは僕達大工が木枠を取り付けて、その木枠の寸法に合わせてともさんが建具をつくってくれていました。これは建築業界では当然のことなのですが、ともさんと話をする中で建具屋さんにとって想像以上の大変さがあることを知りました。

建具部門

それは、納まり、床養生、寸法、金物選びなどです。建具屋さんは工事の後半になってから正確な情報がわかるようになります。工期が迫る中の限られた時間の割に決める事や行う作業が多過ぎるんです。

その他にも、建具の採寸に現場に行った際に

「ここをこうしてくれれば」

など思うことがあるようです。その内容も僕達大工が少し気をつければ良いことで、そんなことの積み重ねが建具屋さんにとっての大変さになっていました。

だったら、木枠と建具を同じ場所で、同じ人が製作するのがいいと思ったんです。そして寸法を規格化すれば、採寸に行く必要がないので時間も燃料もかかりません。取り付ける際に現場を汚すこともありません。寸法も決まっていれば材料にロスが出ないように計画できます。

建具部門

このようにイメージはとてもし易いのですが、実際に目の前に出てくると問題点が山のようにあることを痛感しております。建具をつくる立場と木枠をつくる立場でお互いの考えを伝え合う、先週はともさんと何時間も打ち合わせをしました。もっと言えば、この半年間で何十時間と話をしてきました。

実際に加工したことで、わかったこともたくさんありました。その度に手をとめて軌道修正をして進み、また止まっては進むの繰り返しです。ほとんど足踏みのように見えますが、ほんの僅か少しずつ前に進めているのだと思います。

規格になれば、ベニヤなどの新建材を一切使わず、全てが倉渕で自然乾燥された木材でつくられていて、養生や削りなどで現場に発生するゴミを最小限に抑えられる製品になります。これも倉渕だから出来ることであって、中澤建設がやるべきことだと思っています。

まだまだ、この挑戦も山の麓でこれからたくさんの壁にぶつかると思います。協力してくださる皆さんに助けていただきながら、アドバイスをいただきながら、より良いものになるように一歩一歩を進んでいきたいと思います。

建具部門

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中澤建設は群馬県高崎市で高気密高断熱、許容応力度計算による耐震等級3を基本に、新築、リフォーム、リノベーション、店舗等をトータルで設計施工しています。山に囲まれた倉渕町で自然乾燥木材を使った地球環境に優しい安心安全な家づくりをしている創業50年の大工工務店です。

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