こんばんわ!
中澤やすゆきです!
長男が中学になってもサッカーを続けていますので、休日の送迎や平日の迎えは僕が行けるように努力しています。片道およそ40分くらいの道中なのですが、長男がお気に入りの音楽を聴いたり、会話をしたりして、僕としては結構楽しい時間を過ごしています。
そんな長男から、
「日本の高度経済成長期って何があったの?」
と聞かれました。突然で予想してもいない内容の質問に正直戸惑います。それもそのはず、この質問だけ切り取ると中澤家の長男が賢そうに感じますが、いつもの会話内容と言ったら、
「もしも高崎市の烏川を境に右と左に分けたらどっちに住みたいか」など、本当に他愛もない話ばかりなんです。
だからこそ、高度経済成長の言葉が出てくるなんて全く想像しておりません。長男がどこまで深みのある答えを期待していたのか分かりませんが、僕だって下手な話はできません。とは言え、学業という名の勉強を怠ってきた為知識不足なのも事実です。
背伸びしてもボロがでますので、保険として自分が生まれる前の出来事だということを冒頭に添えて、自分の言葉で説明をしました。
その話を聞いた長男から、
「そういうのがあって、今みんなロボットになってるの?ファミレスとかもご飯を持ってきてくれるのみんな人じゃなくてロボットだもんね。」
と言われます。
僕の説明から、「ここに結び付くのか?」とは思いましたが、大きく言えば外れてはいないことに安心します。続けて長男が、
「このままAIが進化をしたら、全部ロボットがやってくれるから、中澤建設だって仕事がなくなっちゃうんじゃないの?」
と言いました。
長男なりに父親の仕事を心配してくれたようです。そんな長男に「AIの力を借りなくても大丈夫だよ」と言いたいところですが、僕自身が日常生活でAIに頼りっぱなしです。
目的地の場所を探す時はすぐにスマホを手に取ります。言葉の意味を調べるときもスマホ、天気予報もスマホ、スケジュールも今は全てスマホの中のAIに管理してもらっています。
考えてみれば、このAIの進化も多くの人が仕事をしたことで生まれた賜物なのだと思います。たしかに頼り過ぎることに問題もあるようには感じますが、AIの能力を借りながら自分にしか出来ないことをやることが大切なように感じます。
先週は毎年恒例になりました、高崎市の体験活動「やるベンチャー」で、倉渕中学校2年生の生徒さんが3日間の職場体験に来てくれました。
生徒さんが中澤建設に来てくれるようになって今年で3年目になります。初年度から僕が決めていることは、出来る限りリアルな仕事を体験してもらうことです。なので中学生がいるからと仕事内容を意識し過ぎないようにスケジュールを組みます。
その為、中澤建設の職場体験はお客様のご理解とご協力がなければ成り立つことはありません。ちょうど職場体験に重なるお客様には事前に、中学生が一緒に現場に入らせていただくお願いをさせていただきます。
僕からの急なお願いにも関わらず、お客様の皆さんが心良く承諾してくださることに感謝以外の言葉が見つかりません。
初日は、朝から僕と一緒に雨樋修繕の現場調査に伺います。僕が脚立に登り寸法を測って、Y君がメモをしてくれます。道具が必要になった時も、
「僕取ってきます」と言ってくれて、離れた作業車に向かって走り出す姿には正直驚きました。無事に調査を終えて、2人でお客様に挨拶をさせていただくと、
「頑張ってね」
のお言葉にY君も嬉しそうです。
それから向かったのは、リフォーム中の現場です。お客様と一緒に迎えてくれたのは、Y君が好きで好きでたまらないワンちゃんです。僕もその事は知っていましたし、お客様にもお伝えしてありましたので、
「ちょっとワンちゃんと待っててね」
と伝えるとすぐさま近付いて、まるで付き合いはじめの恋人同士のようにベタベタしています。
微笑ましい光景ですが、このままでは中学の先生に職場体験の報告ができませんので、しっかりと作業もお願いしました。
お昼は一緒に現場でお弁当を食べてから、中澤建設の社員で年齢が1番近い、渡部さん(てっちゃん)の車に乗り作業場に戻ります。歳が近いだけに、車内ではどんな会話で盛り上がったのかと想像するだけでニヤけてしまいます。
作業場に戻ると、建具職人のともさん指導のもと、次の日に行く現場作業の練習です。一見クールなともさんのシュールな笑いが中学2年生にもハマっていることが僕にとっては面白くてたまりません。
2日目は、前日にした練習の成果を試す建具工事です。この建具をつくったともさんと妻が見守る中で息をのむような緊張の瞬間です。
作業を終えたY君にともさんが一言、
「成功です」
と言った時は、Y君も嬉しそうでした。仕上がった建具を積み込みして、妻が作ってくれたお弁当を持って、Y君・ともさん・妻の3人は現場に向かいました。(ともさんは愛妻弁当です。)
僕は会社で待機しましたので、現場でどんなドラマがあったのかを直接見ることはできません。だけど、それが大切なことだと思っています。職場体験は生徒さんと僕ではなく、生徒さんと会社が1つになって行う活動だと思っています。だから、僕自身も会社の一部なのです。
それを深く感じたのが3日目の出来事です。実はこの日に僕の大切な友人のお父さんの告別式が行われることになりました。この日は家具づくりを予定しており、午前中に僕と図面を書いて、午後に社員大工の原田さんご指導のもと絵に書いたものを実際につくってもらおうと思っていました。
そしてもう一つ、妻のまかないランチをみんなで食べる予定でおり、そのランチに使うご飯を釜で炊こうと思っていました。ここで問題なのが、釜でご飯を炊くことはそれほど難しくはありませんが、僕以外に中澤建設の誰もやったことがなかったのです。初めて釜でご飯を炊く場面で経験者がいないのは、大問題です。
僕にとって大きく感じていたこの2つの問題を助けてくれたのは、一緒に働く会社のみんなでした。大工の原田さんは僕が出来ないとわかると、ダンボールとえんぴつを持ってきて、
「ここにつくりたいものの、絵とサイズを大体書いてみて。何か部屋に欲しいものないの?」
と優しくY君に寄り添ってくれています。
釜でご飯を炊くことも、電気炊飯器を使うことを考えましたが、キャンプ経験者のてっちゃんが、
「半合と似てるから何とかできますよ」
と言ってくれたことで、予定通り進めることができました。
後で話を聞くと、家具づくりにはともさんも原田さんのフォローに入ってくれて、そのお陰でY君が思い描くものをつくることができたそうです。
僕がお昼過ぎに帰った時には、みんなご飯を食べ終わっており、食後のデザートを食べるところでした。僕も戻れましたので妻のつくってくれたケーキを食べながらY君の作品発表会がはじまります。
実はY君、将来は大工になるのが夢だという理由で中澤建設を選んでくれました。ものづくりが大好きで自分が思い描いたものをつくれることに憧れの気持ちがあることを聞かせてくれました。
Y君の作品は世界にたった1つの素敵なものでした。自分のつくったものを発表する姿も自信に満ち溢れて、Y君の姿からものづくりに1番大切なものを感じさせてもらいました。
そんな流れのまま、Y君が中澤建設で過ごした3日間の感想を話してくれる感動的なシーンになったのですが、
「いやいや、まだ半日残ってるから!」
と、もはや中澤建設のムードメーカーになったY君のお陰でその場所にいる全員から笑顔が溢れます。
僕は素直にこう言う時間の使い方が好きですし、この先もずっと大切にしたいと思っています。どんなにAIが進化したとしても、これだけは人にしか出来ないことだと思っています。だから、
「中澤建設の未来は大丈夫だよ」
と長男に胸をはって伝えたいと思います。
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中澤建設は群馬県高崎市で高気密高断熱、許容応力度計算による耐震等級3を基本に、新築、リフォーム、リノベーション、店舗等をトータルで設計施工しています。山に囲まれた倉渕町で自然乾燥木材を使った地球環境に優しい安心安全な家づくりをしている創業50年の大工工務店です。
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