こんばんわ!
中澤やすゆきです!
木材を自然乾燥している倉庫から、現場で使う材料を出そうとした時に珍しい光景が目に入りました。


カラーコーンの頭から見える僅かな穴に向かって成長したのだと思いますが、光も水分も限られた環境の中で、一筋の光に向けて生きている姿が、とてもたくましく見えて、
「こんな事ってあるんだなぁ」
と驚きました。
家づくりにおいて、大工工務店である中澤建設が木工事を行い、木工事以外の様々な仕事は、中澤建設が心から信頼を置いている協力業者の皆さんにお願いをしています。
中澤建設の大切にしている”ヒトトキ”の中のヒトのこととして、ホームページにも掲載しておりますが、お客様の家づくりは協力業者の皆さんと中澤建設の社員が心を1つにしてつくらせていただくことで成せるものだと思っています。
今から2年前にみなかみ町で新築工事をさせていただきました。


この時もいつもと変わらないチーム中澤建設で家づくりをさせていただく予定だったのですが、水道設備業者さんに関しては、ひとつ問題がありました。
水道設備は、行政との連携や自治体の指定業者が工事を行う仕組みなどがあり、作業はもちろんですが、手続きなども工務店に代わって色々と行っていただく必要があります。なので、地元の業者さんにお願いすることが好ましいのです。
みなかみ町での工事は初めてで、地元に知り合いの業者さんもおりませんので、お世話になっているお仲間の方に紹介をしていただくことになりました。ありがたい紹介ではありますが、このようなことは初めての経験なので、
「お客様の大切な家づくりに一緒に向き合ってもらえる方なのか?」
「中澤建設の家づくりに賛同してもらえるのか?」
と思っていたのは事実です。
実際に現地でお会いした時に、僕の心配ごとはなくなりました。年齢は当時34歳くらいでしょうか。笑顔が印象的で挨拶もお話してくださる言葉もとても丁寧な方です。その時点で難航していた上水道の取り出しの件も、お客様と僕が安心を出来るように説明をしてくれます。
ひとつひとつの対応が丁寧な方で、実際に作業されている姿もとても好感が持てました。お互いに初めて仕事をするもの同士なので、意見のズレが無いように何度も細かな打ち合わせをしました。時間はかかってしまいますが、自分にとってそれは心地よい時間(ヒトトキ)です。なぜなら、お互いが同じ方向を向いているからです。
この方のお父さんが社長をやられており、現場作業は弟さんと2人で行っていました。社長もお2人に現場をまかせていて、チカラを合わせて仕事をしている姿は素晴らしく、本当にいい会社さんで、僕にとっても目標になるような会社さんでした。
新築工事が終わった後も、お客様の家を一緒に守っていく仲間ではありますが、顔を合わせる機会が少なくなることはわかっていました。なぜなら、中澤建設には地元倉渕町と安中市に水道設備業の協力業者さんがいるからです。そんなことを思っていると
「中澤さん、僕の家づくりをお願いします」
とお話がありました。
想像もしていない言葉に正直驚きました。他にもたくさんの工務店さんとお付き合いがあると思いますが、冷やかしなどは全く無く真っ直ぐな気持ちでおっしゃっていることがわかったからです。
新築工事に使われている様々な木を見て、
「これいいですね、これもかっこいいな、こんなのどうやって使うんですか?」
と本当に水道設備業者さんなのかと思うくらい木に興味をお持ちでした。とても木が好きな方だからこそ、中澤建設の家づくりを好きになってくれたのだと思います。
定期的にご連絡をくださり、土地のご相談や建物の事など新築工事に向けて色々なお話をさせていただきました。ご自身の会社で施工されている業務に関するご相談もいただき、実際にみなかみ町の飲食店さんに夜間工事に行かせていただいたこともありました。

ずっと切れずに連絡を取り合っている中で、驚いたのは、お父さんが経営されている会社を弟さんにまかせて退社されたというご連絡でした。十数年やられてきた水道設備業から離れて、新転地で全く別の業種をして生きていくということでした。
ここまで積み上げてきた経験がもったいないとは思いましたが、ご家族や会社と相談されて決まったことだと思いますので、何も知らない自分が何か言えることではありません。仕事が変わったとしても、仕事への意識は絶対に変わらないと思いましたので、どこで働いたとしても活躍される方だとは思っていました。
転職されても、時々連絡を取り合って、土地探しのことからはじまり、近況報告や仕事の様子、木のことなど様々なお話させていただいておりました。そんな中で、今の仕事が自分には合っていないという相談をいただくことがありました。
お話を聞く限り、僕もその仕事を続けることは進められないと思いました。その話に続けて、これから挑戦したいと思っている仕事について相談を受けたのですが、僕は賛成することができませんでした。素晴らしい方ですし、自分にとって大切な方だからこそ道を間違えて欲しくなかったからです。
仕事を選択することは、奥様もお子様もいらっしゃっいますので、ご家族の人生を大きく左右する大切なことです。それ程重い内容を誰にも相談出来ずにいましたが、1人では抱えきれずに、自分が迷いそうになる時には必ず相談させていただく方にお話させていただきました。
実際に僕がいない状況でお2人で会っていただく機会も用意してくださいました。僕の大切な方同士が自分のいない環境でお会いするということに、
「こんな事ってあるんだなぁ」
と驚きの心境ではありましたが、いつかは会っていただきたいと思っていましたし、絶対に良いアドバイスをもらえると思っていましたので、とても嬉しい出来事でもありました。
いただいたアドバイスは十数年培ってきた経験と技術を活かして水道設備業で独立するべきだという意見です。もちろん僕もそれが1番いいと思っていたのですが、ひとつ気になるのは、それが心から本人が望む事ではないということです。経験と技術があるとは言え、仕事は自分がやりたいことをやるべきだからです。
出会ってから、その方が僕にずっと伝え続けてくれている言葉があります。それが、
「中澤建設さんのチカラになれる仕事がしたい」
ということです。その本当の意味とは何なのかを考えるように、僕の中である気持ちが生まれました。それは「この人と一緒に仕事をする」ということです。
中澤建設は大工工務店です。そして、今年の3月から新たな職人さんが仲間に加わり、建具家具事業も始まりました。水道設備業は、協力業者さんにお願いしておりますので、自社で行うつもりは一切ありません。一緒に仕事をするのであれば、大工と木工職人としてしか受け入れることはできないのです。
正直に自分の気持ちを伝えさせていただきました。年齢を考えても悩んでいる時間はありませんし、中途半端な選択は出来ないことはご本人も承知しています。自分1人の判断をせずに、ご家族としっかり話し合いをすることをおすすめしました。その間に奥様とお子様を倉渕にお連れすることもありました。

渡部哲矢さん。てっちゃんと呼んでます。
中澤建設の家づくりと僕の考えを理解してくださり、中澤建設の社員となって一緒に生きていくという決断をしてくれました。
僕の父親、ベテラン大工の原田さん、建具職人のともさん、僕と同じくらい木が好きな方です。真面目さは僕よりも少し上ですが、面白さで言ったら僕の方が上ですね。てっちゃんは、若さだけでなく中澤建設にとってとても良い風をおこしてくれました。この風は、この先の中澤建設にとって、無くてはならないものになると思っています。
倉渕町に毎日通っておりますので、地元の方々は見かけることがあると思います。作業場で仕事をしていたり、現場で仕事をしております。
中澤建設のテツandトモのテツということになります。
お会いした時はどうぞよろしくお願いいたします。
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中澤建設は群馬県高崎市で高気密高断熱、許容応力度計算による耐震等級3を基本に、新築、リフォーム、リノベーション、店舗等をトータルで設計施工しています。山に囲まれた倉渕町で自然乾燥木材を使った地球環境に優しい安心安全な家づくりをしている創業50年の大工工務店です。
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