こんばんわ!
中澤やすゆきです!
中学生の頃は真面目に勉強をしていたと思います。しかしこれは、結果として反映されていたかというのは別の話です。遊ぶ事の方が楽しいのはもちろんですが勉強も嫌いではありませんでした。
これが高校生になった途端に勉強という二文字がどこかに消えてしまいました。確かな記憶ではありませんが入学当初は勉強していたような気がします。しかし、田舎から出てきた15歳には高校生活というものは刺激が多過ぎたのかもしれません。
面白そうな人はいるし、可愛い女の子もたくさんいますので、楽しいことを想像し勉強に身が入らず、いつの間にか授業についていけなくなってしまったのです。とは言え、授業をサボる勇気など持ち合わせていない僕は勉強するフリをして漫画を読んだり起きていることを装って居眠りをする毎日を過ごしていました。
今思えば、これは恥ずかしいことであり、学校に行かせてくれた両親にも、勉強を教えてくださっている先生にも、一生懸命勉強している同級生にも失礼なことをしていたと感じます。そう思えるようになったのは、恩人の方に誘っていただけたことで、僕が参加出来ている勉強会があるからです。
それが、数年前から参加させていただいている自立循環型住宅研究会関東ゼミです。この勉強会は1年に3回開催されており、その3回目の「事例大発表会」が先日行われました。発表を行うのは、勉強会の1回目と2回目で講師をしてくださった、鳳建設㈱の森亨介さん、そして日頃から共に家づくりの学びをしているお仲間工務店の皆さんです。僕も昨年に引き続き、発表をさせていただきました。
僕の発表は、築43年の建物をスケルトンリノベーションさせていただいたお客様の建物です。一緒に発表された皆さんもご自身がお住まいになられているご自宅や新築施工をしたお客様の建物を発表していました。
この発表をさせていただくにあたり、夏の1番暑い時期と冬の1番寒い時期に屋外と室内に温度と湿度を計測する機器をお客様の家に設置します。端的に言えば、過酷な外気に対しての温度と湿度が家の中で変化をしている様子を発表するのですが、発表した各社の家づくりの仕様もそれぞれ違いますし、岐阜県、福島県、栃木県、群馬県と施工地域も様々です。
それに加えて、皆さんの豊富な経験と知識、そしてオリジナル性がありますので、発表をお聞きしているとまさに目からウロコが落ちるような感覚です。それと同時に、知識の乏しさや勉強不足など、一緒に発表をしている自分の未熟さを改めて感じることになりました。
この事例発表ですが、自社の家づくりやお客様が過ごしている住まいの環境を発表するだけではありません。発表させていただいた内容を題材に、高気密高断熱住宅のプロの方々がグループディスカッションして建物の温度や湿度の環境を更に改善する方法を一緒に考えてくださいます。
「そんなこと本当にできるの?」
と数年前の僕は思っていました。しかし驚くことにきちんと施工された高気密高断熱住宅であれば、完成した後に温度と湿度を改善することが出来るのです。
僕は今回で3回目の発表になります。リノベーションのお客様になりますので、まだ改修工事を行う前にデータをとらせていただき、リノベーション後にもデータをとり、改修前後のデータを比較したのが1回目の発表です。その時もグループディスカッションで改善策を考えていただき、教えてもらったことを実行しました。この時は、家の中にある空気を常にキレイに保っている全熱交換の換気システムの換気風量を変えました。
それと、2台あるエアコンの運転方法を変えていただき、1番大きな掃き出し窓の外に日除けを行いました。ここまでで発生した費用は、ネットで購入した3000円の日焼けシェードです。
少し家に手を加えたのが、2階の床に直径10cmの穴を1つ開けさせていただいたことです。1階の天井にあるダウンライトを一時的に外し、そのダウンライトの穴と2階の穴を貫通して空気が流れる仕組みをつくりました。
その結果を昨年発表させていただいたのが2回目の発表です。データの比較はもちろんですが、お客様にも室内環境の変化をお聞きしたところ、皆さんからのアドバイスを実行したことで大きく改善されたことがわかりました。この時もグループディスカッションを行い、更に改善するべき案を皆さんに考えていただき、2つのことを実行しました。
ひとつは、1階と2階を貫通した穴の間に季節に応じて空気を送る向きを変えられる換気扇を取り付けることです。そして、もうひとつは冬の乾燥期に加湿器の利用を止めていただき、加湿は洗濯物の室内干しと入浴後にお風呂のフタと浴室の扉を開けてもらい、浴室内の湿気で家の中に加湿をしてもらうことです。
その結果を発表したのが今回の事例発表になります。昨年と同様にお客様の住環境は前年よりも改善されました。換気扇の設置に関しては少し費用がかかりましたが、それ以外は現在使用している機器の設定を変えただけです。リノベーションをしてから改善をする為に行ったことの多くは、お客様の暮らし方を少し工夫していただいただけなんです。
それだけで、家の中の環境が大きく変化することは、お客様のお話とデータが何よりの証明になっています。実は、今回の発表で良い変化だけではなく、新たに改善すべき点が増えるという結果になりました。難しい内容ではありますが、この課題も皆さんから新たな素晴らしい改善策を教えていただけました。
自分1人ではどんなに考えても浮かぶことの無い発想と方法です。おそらく、どんなに本を読み漁ったとしても知ることができない内容だと思います。
この研究には、お客様にもずっとお付き合いいただいております。今回の発表前に、
「何かの力になれるかと思って、参考にしてもらえれば」
とお客様からいただいたのは、夏にエアコンを使用した時間の記録です。それも6月から9月まで毎日細かな時間をご夫婦で書き留めてくださいました。データとしても大きな価値がありますが、その価値以上の喜びを感じさせていただきました。
僕が家づくりの勉強をしているのは、自社の家づくりが良くなることで、お客様にとってより良い住まい環境をご提案できると思っているからです。そこで忘れてはいけないことは、自分が勉強できる環境にいられることだと思います。
一緒に勉強している皆さんがいて、様々なアドバイスをいただけるから改善することができています。僕が現場を離れても仕事を進めてくれている会社のみんながいるから学ぶことができています。そして、工事をさせていただいてから何年もご協力してくださるお客様がいらっしゃるから挑戦を続けていられるのです。
そのお陰様で、自分が勉強できていることを噛みしめて、中澤建設の家づくりの向上を目指していきたいと思っています。
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中澤建設は群馬県高崎市で高気密高断熱、許容応力度計算による耐震等級3を基本に、新築、リフォーム、リノベーション、店舗等をトータルで設計施工しています。山に囲まれた倉渕町で自然乾燥木材を使った地球環境に優しい安心安全な家づくりをしている創業50年の大工工務店です。
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