僕にとって大きな変化

こんばんわ!

中澤やすゆきです!

本日は日曜日なので、中澤建設で働くみんなも休んでいますし、仕事で使う車両や作業場の中にある木工機械もお休みです。普段の全てがフル稼働で働いている様子も好きなのですが、静かな休日の作業場を眺めることも僕にとっては癒しの時間です。

今日はこの時間を利用して、自分の手道具であるノミやカンナの手入れをすることにしました。仕事で使う電動工具は、壊れたら修理をしたり、新しいものを購入すればよいのですが、大工道具に関してはそう言う訳にいきません。

刃物の切れが悪ければ自分で研ぐ必要がありますし、研がなければ良い仕事など出来る訳がありません。とは言え、様々な業務がある中でどうしても後回しにしてしまっていましたので、ここ最近は仕事終わりの夜や早朝に手入れをしていました。

それでも時間が足らずに、妻に子供たちをお願いして今日は研ぎごとに専念しました。すると妻から、

「やっちゃん、ついでにわたしの包丁もお願い出来る?」

と言われました。ここで困ったのは、お恥ずかしながら僕が今まで包丁を研いだことがないと言うことです。ここで、自分の道具は研げるのに家の道具は研げないなんて言えるはずもなく、包丁を預かり作業場に向かいます。

全くわかりませんので、事務所にいた父親に研ぎ方だけ教わります。いざ始まった包丁研ぎですが、これが結構難しいんです。刃物は切れなくなってから研ぐものなので、研ぐからには切れるようにしなくてはいけません。

包丁研ぎは初めてとはいえ、僕だって大工の端切れとしての小さなプライドを持っています。切れる包丁で料理をしている妻を見ることが自分にとっての合格点です。苦戦しながらも研ぎおわった包丁を妻に届けて大根を試し切りしてもらいました。

まずは輪切りにスパッといった妻の反応は、

「、、、、、(無言)」

その後、ぐるっと一回り皮を剥いた妻から、

「、、でも、切れてるよ。ほら。」

優しい妻の僕に気を使ってくれた一言です。包丁ですから切れるのは当然です。研ぐ前よりも切れていなくては意味がありません。

そのあと、別の部屋に行くと偶然にもテレビショッピングでよく切れる包丁を宣伝していました。

「片手で力を入れなくてもスパッと切れる」

とこの言葉が僕にはチクチクと刺さります。

僕の包丁研ぎはまだまだ経験が足りませんので、研ぐ前後で大きな違いがありませんでしたが、今週過ごしたある2日間は僕にとって大きな変化を得られるものとなりました。

それがお仲間の皆さんと行ったTYS会の福島研修です。この会は、3〜4ヶ月に1回の頻度で仕事終わりの夜に食事をしながら建築従事者のお仲間と意見交換を行う集まりです。今回の福島研修では、高気密高断熱の家づくりで肝となる断熱材の勉強が目的でしたが、それだけではなく、建築人として生きていく上で必要な知識と知性、そして心の在り方を学ぶことになりました。

研修に行ったのはパラマウント硝子工業さんのグラスウール断熱材を製造している工場です。家づくりの仕事に携わってから20年経ちますが、グラスウールは何度となく手にしてきました。

しかし、完成品とカタログだけではその素晴らしさを知ることは出来ないことを感じました。使用されている原材料は全てリサイクルのガラスであること、メーカーさんの想い、品質の高さと製造過程を見ることで、しっかりと理解することができました。

中澤建設の新築住宅では羊毛断熱材を基本仕様としてはいますが、この日は断熱材の勉強会です。TYS会の皆さんが使っている断熱材は様々ではありますが、断熱材が家にとってどれほど大切なものなのかをパラマウントさんに教えていただきながら、高性能な家づくりをより良くする為の意見交換をさせていただきました。グラスウールの素晴らしさはもちろんですが、断熱材の重要性、そして改めて羊毛断熱材の素晴らしさを感じられる結果となりました。

夜は恒例の食事とお酒を交えてのアウトプットです、と振り返ろうと思いましたが、この2日間は最初から最後まで”伝え、伝えられる、伝え合う”時間でした。温泉に入っても裸になると話す内容もより深くなり、のぼせる直前まで語り合うことになりました。美味しい食事とお酒を交わしながらのアウトプットは、歴史の教科書に載っている「鳴かぬなら、、、」の言葉を借りて人との向き合い方を語り合いました。

部屋に戻り、日を跨ぐまで続いた語りは、6人川の字になって眠る直前まで終わりません。

2日目に行ったさざえ堂では、皆さん建築人としての血が騒ぎ、様々な方向から建物を分析していました。さざえ堂は最上階まで行けるのですが、登る人と下る人が会わない構造になっています。設計をされた方そして組み上げた大工さんに感銘してしまいます。

この研修を計画して下さったのは、先輩工務店の田村工業(株)田村さんです。経費の計算から、全日程とその段取りの全てを計画してくださいました。誰かに任せる訳でもなく、言葉だけで伝える訳でもなく、資料作りから段取りまで細かな計画をされる様子は僕が見習うべき姿だと感じました。

1日目の夜に田村さんから、僕達に伝えていただいたお言葉がありました。そのお言葉に胸が熱くなり込み上げてくるものがありました。建築人として、1人の人間として、生きていく上で1番大切なことを教えていただけるようなお言葉でした。

この研修は平日でしたので、仕事を会社のみんなにお願いし、行ってくることができました。

お陰様で自分の気持ちや考えに変化が生まれたように感じます。

昨日、お打ち合わせを進めさせていただいているお客様にプランニングの提出をさせていただきました。間取り計画は研修前に出来ていたものです。プラニングの計画図はどのお客様にも自分で手描きしたものをお渡ししています。いつも通りにプラニング計画図を書いていると、この間取りに込めた想いをもっと伝えなくてはいけないと感じました。どんなに頭や気持ちで想っていてもそれだけではお客様には伝わりません。きちんと伝える為に文字や言葉でアウトプットしなくてはならないのです。

福島研修はその大切さを感じることができた、

かけがえのない時間になりました。

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中澤建設は群馬県高崎市で高気密高断熱、許容応力度計算による耐震等級3を基本に、新築、リフォーム、リノベーション、店舗等をトータルで設計施工しています。山に囲まれた倉渕町で自然乾燥木材を使った地球環境に優しい安心安全な家づくりをしている創業50年の大工工務店です。

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