こんばんわ!
中澤やすゆきです!
中澤家の三男は今、バスケットに熱中しています。きっかけは、家族で最近はまっているスラムダンクのアニメを見るようになってからです。スラムダンクと言えば多くの人が知っている名作ですが、その面白さは、世代を越えて現代の6歳児にも伝わるようです。
バスケット熱はアニメに留まらず、年末に
「シュート練習をしたいからバスケットゴールをつくってほしい」
と頼まれました。おもちゃのようなゴールなら木とはりがねを使えば出来ると思い製作してみたのはいいですが、リングとボードの取り付けが中々上手くいきません。
本物はどのようになっているのかと思い、スポーツ用品店で確認してみると子供用の小さなバスケットゴールが店頭に並んでいました。売っているバスケットゴールは非常によく出来ていて、ボールも同梱されているのですぐに使えて価格もリーズナブルです。
三男に
「パパがお手製でつくるからまかせて。」
と言った手前なんとしても自分の手で作りたかったのですが、子供が待ちぼうけすることになりますし、僕の強がりでバスケットをしたいという熱を冷ます訳にはいきませんでしたので意を決して購入することにしました。
帰宅してすぐに僕と妻が事務仕事をしている部屋の一角にバスケットゴールを取り付けると三男は大興奮です。庶民シュートやフェイダウェイシュート、リバウンドなどスラムダンクに影響された練習をひたすらに行っています。
おもちゃのゴールとは言え、毎日続けていると日に日に上達もしますし、時間を忘れて熱中している様子から素直に楽しんでいることが感じられます。こう言う姿を見られるのは嬉しいことですし、真剣な眼差しで夢中になれる感覚は生きていく上ですごく大切なことだと思います。

僕は先週、作業場にこもり、4本の丸太と向き合っておりました。丸太の加工は、何本も墨を出す必要があって、直角を出すにも水平と垂直の感覚が重要になってくるので大変難しい内容です。年末から丸太の準備は出来ていたのですが、何日間か集中して行わないと間違えやすいこともあって手が付けられずにいました。

僕の予定では、丸太加工をお正月休みにやろうと考えていましたが、想定外のインフルエンザになってしまいました。そこで、先週末の3連休に家庭の事を全て妻にお願いして、寝る時間以外は丸太と過ごす毎日を過ごしていました。
墨付けと刻みを行う丸太は赤松と栗の木です。木が持つ油分や艶、曲がり方や割れの味わい、節やコブなどそれぞれに特徴がありますが、共通していることは全ての木が育ったままの姿であることです。
成長段階でついたものか、伐採の時についたものかわかりませんが表面に傷がついていることもあります。構造上で大きな影響があれば使用しませんが、表面上の傷であれば、それもその木の特徴になりますので問題なく使用します。

木に割れが入っていて心配されるお声を聞くこともありますが、木の割れは木が生きている証拠です。割れている数も問題なく、人間で言えば笑いじわと同じようなものです。

丸太のありのままの姿は、大自然の中で思いのままに自分らしく成長した過程です。そんな丸太の力強く美しい様子が木の魅力であって僕が木を好きな理由です。そして丸太の魅力をお客様に感じていただくことも、中澤建設の家づくりとして大切にしていることなのです。
許容応力度計算の構造計算をお願いしている設計事務所さんとも話し合いを行い、丸太のことも配慮した方法で耐震等級3の計算をしていただいております。
丸太の加工を始めると、丸太に何本も墨を出して、ぐるぐると何回も回転しながら加工は少しずつ進んでいきます。そして丸太の加工で面白いところは、丸太同士が十字で重なり合う為、2本で1セットになるということです。もっと言えば丸太とその他の躯体と組み合わさる瞬間に完成するのです。


だからこそ頭の中でのイメージが重要です。丸太と丸太が重なり合う様子をイメージしながら線と線、点と点が一致した瞬間は思わず声が出てしまうほど嬉しいものです。

作業場で丸太と向き合いながら仕事をしていると、栗の丸太を提供してくださった倉渕町の方が偶然いらっしゃいました。言ってみればこの栗丸太の育ての親ということになります。この丸太が自然乾燥を経て、いよいよお嫁に行くことをお伝えすると、
「こんな曲がっている栗は普通だったら細かく切って薪くらいにしかならないよ。でもさ、こうやって生かしもらえればものすごく価値がでるよな。この木を植えた人もこの木も喜んでいるよ。
まだまだ、いっぱいあるから今度また切っとくからね。」
とお伝えくださいました。
こんな嬉しいことはありません。曲がった栗の丸太を加工できることが僕にとっての喜びであり、その先にあるお客様の笑顔を見る為でもあります。
その仕事を木を育てた人にこうして喜んでもらえるのですから、丸太と向き合う時間にとても大きな意味があることを感じることができました。
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中澤建設は群馬県高崎市で高気密高断熱、許容応力度計算による耐震等級3を基本に、新築、リフォーム、リノベーション、店舗等をトータルで設計施工しています。山に囲まれた倉渕町で自然乾燥木材を使った地球環境に優しい安心安全な家づくりをしている創業50年の大工工務店です。
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