小さな世界

こんばんわ!

中澤やすゆきです!

最近は全然行く事ができていませんが、僕もこう見えて浦安にある夢の国が好きです。道路を走っていてパークが見えた瞬間に心が躍り、中に入った時の感動は他に変わるものがないように感じます。

しかし、幼少期からビビり体質だった僕は、乗っている人が「ワー!キャー!」と叫んでいる乗り物には乗れませんでした。今思えば、乗りながら叫ぶことが楽しみ方だということはわかりますが、あの頃の僕には恐怖でしかなく何の魅力も感じられませんでした。

では何をもって良い思い出にしていたかと言えば、ジャングルクルーズとイッツ・ア・スモールワールドです。これは小心者でピースフルな僕にぴったりなアトラクションでした。ジャングルクルーズにもビビりポイントはありますが、チンさぶが無いので大丈夫です。

イッツ・ア・スモールワールドは世界中の子供達が歌う「小さな世界」を聞きながら、船に乗って世界一周するアトラクションです。すごくシンプルなのですが、世界中という壮大なテーマを「小さな世界」として表現することが感慨深く、感動する内容なので、大人になってからも好きなアトラクションです。

僕にとって先週は、お会いした方々とお話をさせていただく中で小さな世界を考えさせられる1週間になりましました。

中澤建設では、昨年から建具職人のともさんが社員になってくれましたので大工工務店と建具事業を行っています。無垢の木を扱う者同士、木工機械を扱う者同士が手を組み一緒に仕事をすることで、中澤建設の倉庫にある木材を有効活用でき、別の視点から木と向き合うことで、新たな発想も生まれると思いました。

その取組みとしてカタチになったのが規格無垢建具の製作です。デザインもサイズも細かな仕様も全てつくり手である建具職人が決めて、木枠と建具をセットでご提供するというものです。

建具職人のともさんが入社してから、1年が経ちますが何度も試作と話し合いを重ねてきました。中澤建設が建具事業を始めると聞いて応援して下さったお仲間工務店さんに建具を納めさせていただけたことで、様々な課題と向き合うことができました。

そんな規格建具の完成を間近に控えた先日、僕が建具事業の構想をしている時から応援してくださっている吉田登志幸さんにご案内していただき、茨城県の設計事務所さんと工務店さんのところへお伺いさせていただきました。

まず初めにアトリエMの本橋さんの事務所にお邪魔しました。僕は初めてお会いしたのですが、お会いしてからファンになるまで、ファンになってから大ファンになるまでそれほど時間は必要ありませんでした。惚れ惚れしてしまうほど太い軸の通ったカッコいい生き方をされていて、その場を包みこむような優しいお人柄とユーモアに、虜になってしまいました。本橋さんのご自宅兼アトリエを案内していただき、僕は驚愕と感激で思わず頭を抱えてしまいました。

アトリエMさんを後にして本橋さんが設計された建物群を拝見して、またまた驚愕です。もはや日本とは思えない1つの町がそこにはありました。時間の都合で中には入れませんでしたが、近い内に必ず妻と食事に行きたいと思います。

その後は、住宅ブランド「SaiCLE(サイクル)」を立ち上げられた斉藤建築工業(株)斉藤知広さんの規格住宅モデルハウスにお伺いさせていただきました。ゆっくりとお話させていただくのは初めてのことだったのですが、お聞きしていると安心できるような優しい言葉の中に、ご自身の家づくりへの強い想いを感じました。

中澤建設は規格建具で、斉藤さんは規格住宅です。規格という共通点がある中で、

「この家が最高、最高なんです」

とお話している姿が強く印象に残っています。ものづくりとは、自分のつくったものをどれだけ愛せるかがすごく大切なことだと思います。規格住宅は間取りから仕様まで決めることの全てを1つの規格にしている訳ですから、斉藤さんが最高だと想いを込めた集合体になっているのです。規格品の製作には斉藤さんのような愛情と覚悟が必要なのだと教えていただきました。

最後にお伺いしたのは、(有)青樹工務店青木さんの自社倉庫をリノベーションした事務所にお伺いさせていただきました。青木さんは僕と同じように大工としての仕事をしながら営業や現場管理をされている大工工務店さんです。僕よりもひと回り近くお若いのですが、社の代表として新しい事務所をつくられるお姿から、学ぶことの多さを感じます。

青木さんは家づくりに、規格建具の採用をしており、使用されている工務店側の感じていることや悩みをお聞きしたいと思っておりましたが、青木さんの理解の深さに驚かされることばかりでした。規格建具のつくり手側としたら、現場の職人さんが少しでも楽なように考えるのですが、それが裏目に出て何が正解かわからなくてなってしまいます。しかし、青木さんのように現場を知っている大工さんにお渡し出来れば規格品に必要以上の手立てをする必要が無いのです。それは効率的な作業に繋がりますので全てにおいて良い結果を生み出すことになるのです。

茨城ツアーでお三方にお会いできたことで、今の中澤建設にとって、とても大切なことを教えていただくことができました。

大変貴重なお時間をつくっていただきありがとうございました。

そして、中澤建設にとってベストなタイミングでこのような素晴らしい方々にお会いできる機会を与えてくださった吉田さんに心から感謝しております。

先日はもう一つ、大切な集まりがありました。工務店さん、流通店さんと建築人としての生き方を語り合う会であります利根ヨットスクールです。今回は前橋市の工務店さんがご用意してくださった沖縄料理のお店で、自分達が今思っていること、感じていることを語り合う時間になりました。

先輩工務店さんが様々な人生経験から知ったこと、感じたことを話してくださったのですが、この話を聞くことが出来る環境とはどれほどの貴重なことだろうと思いました。

先輩工務店さんも、あくまで自分の経験であって皆が同じことをしなくていいとお伝えくださいます。確かに、どんなに身になる話を聞くことができたとしても自分自身が身をもって知らなければ、自分の経験にはなりません。しかし、話を聞いていたのと、聞かずして経験するのでは、その時に得られるものが大きく違うことは間違いありません。だからこそ、僕にはこの会に参加させてもらえることが有難く感じているのです。

田舎の小さな工務店を経営している僕ですが、お世話になっている方、お仲間の方、お会いできた方々のお陰様で、頭の中にある世界が果てしなく広がっているように感じます。だからこそ、生きている世界が小さくても幸せなのだと思います。

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中澤建設は群馬県高崎市で高気密高断熱、許容応力度計算による耐震等級3を基本に、新築、リフォーム、リノベーション、店舗等をトータルで設計施工しています。山に囲まれた倉渕町で自然乾燥木材を使った地球環境に優しい安心安全な家づくりをしている創業50年の大工工務店です。

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