こんばんわ!
中澤やすゆきです!
田植え
5月に中澤家では大きなイベントが2つあります。1つは僕の生誕アニバーサリーです。月末に控えており、僕の心は少しざわつき始めていますが、家族の様子は不思議なくらいそれを感じさせません。
そして、もう1つのイベントが田植えです。田んぼの仕事は、父親と母親が春になってから準備を始めてくれていました。
中澤家の男子三兄弟も食べ盛りですので、主食の米は食卓には欠かせない食材です。米の高騰が騒がれている中で、美味しい米を自給自足できていることにも喜びを感じられるようにもなりました。
長男と次男、妻は中学校の行事やサッカーの試合で参加できませんでしたが、姉たちと姉家族に手伝ってもらい本日無事に田植えを行うことができました。
田んぼ仕事
基本的には機械で苗を植えるのですが、機械では上手く植えられない場所は手で植え継ぎをします。そして機械が通った後で田んぼに凹凸ができた所をトンボで慣らすなど、田んぼ仕事を丁寧に行う上で小さな仕事があるものです。

その仕事を中澤家の三男は積極的に手伝ってくれました。自分の背丈の倍はあるトンボを持って、田んぼの畦を走り回り、田んぼに残る足跡を慣らしてくれます。この作業をしてもらえると田植え機を走らせるのが楽で非常に助かるのです。

その事を知ってか知らずか、飽きることもなく汗だくになりながら夢中で働いてくれています。たくましく感じる三男ですが、その場で働いていることに目的以外の働きがあるように感じます。

三男の仕事
田んぼの畦を走りまわっている姿や大きな声で笑っている様子は、その場所にいる僕達大人の気の持ち方を変えてくれるように思えます。田んぼ仕事は決して楽な作業ではありません。しかし、三男が一緒に働いてくれていることで、やる気も出ますし、その時間に楽しさを感じることも出来ます。
行う作業内容は変わりませんが、その場にいる人の気持ちを変えることは、仕事に大きな効果をもたらすものです。だからこそ、三男の存在には大きな意味があることを感じられました。
やるベンチャー
今月は中澤建設としても大切なイベントが盛りだくさんでした。先週は、高崎市の中学2年生が行う体験活動”やるベンチャーウィーク”で、地元倉渕中学校から2名の生徒さんが中澤建設に職場体験に来てくれました。

毎年同じことが言えるのですが、先生からご依頼をいただいた時は、やるベンチャーのタイミングで、どんな業務を行っているのかわかりません。
ヒトトキカリキュラム
なので、実際に職場体験をしてもらう内容は直前に決めるようにしており、今回も数日前から考えていました。この内容、つまり中澤建設の「ヒトトキカリキュラム」を考える時間が僕は楽しくて仕方ありません。無い知恵をしぼり、練りに練ったことで
中澤校長による唯一無二のカリキュラムが決まりました。
初日
まず初日は、僕の担当である施設案内です。カリキュラムの中ではお決まりで、生徒さんにとっては、1番退屈な時間です。しかし、ここは校長自慢のトーク力が光ります。中澤建設がなぜ木を使う家づくりをしているのか、木を自然乾燥する意味と効果など、笑いを混ぜ合わせながら説明しました。
午後は、僕が群馬県商工会青年部連合会の理事としてマイクを手放せない大仕事がありましたので、仕事を抜けさせていただきました。なので、作業場の各先生方にお願いして、木を削る作業やダンボールをリサイクル工場に運ぶこと、最終日に行う卒業製作課題の図面などを考えてもらいました。
断熱ワークショップ
2日目は、下佐野町の新築現場に向かいます。現場では、渡部先生が準備をしてくれており、羊毛断熱材の施工体験をしてもらうことにしました。中学生が現場に入らせてもらうことは、お客様に報告をさせていただきました。その時に、
「もしご都合よろしければ、現場にお越しいただけませんか?」
と、僕から無理を承知でお願いをしてみると、
「行きます行きます^_^私も一緒に羊毛断熱材を体験させてください。旦那も休めるか聞いてみます。」
と想像もしていないようなお返事をいただきました。
お客様も参加して
そして当日を迎え、なんとご主人様も本当にお休みをとってくださりご夫婦で断熱ワークショップに参加してくださいました。

こちらの建物の断熱施工は、渡部先生がほとんど1人で行いました。あと少しで施工が終わるタイミングでしたので、お手本を見ながら体験をしてもらうことができたということです。

中学生とお客様が肩を並べて真剣に作業する様子は、微笑ましくもあり、言葉に出来ない喜びも感じられます。最初は皆さん苦戦していましたが、コツを掴むと作業がはかどります。

お互いに
「上手だね」
と褒め合う様子も素晴らしくて、口を揃えて言っていたのが、
「これを家全部やるって相当大変ですね」
と言うことです。そんな言葉に渡部先生も嬉しそうで、照れ隠しなのか笑いを交えて返答していました。そんな様子はさすが校長に続く、中澤建設のユーモア2位実力だと感じます。

家づくりと災害
中学生はやるベンチャーウィークに限らず、3年間の中で各自が目的を持って様々な学習に取り組んでいるという事でした。中澤建設に来てくれた2人は、”災害、環境、エネルギー”を学習の目的とし、職業を体験することだけでなく、目的に沿った学びも得たいと話をしてくれました。
休憩時間には、ちょうど現場で仕事をしていた勝見板金さんにも参加していただき、災害に関しての意見交換の時間にもなりました。お客様のご主人は、市役所の災害担当をやられており、能登半島地震の際に感じたこと、状況などを教えてくださいました。その場にいた皆さんからも様々な意見が出て、僕にとっても大切な学びの時間になりました。

ランチタイム
そして、お楽しみのランチタイムです。妻がつくってくれたお弁当を食べて、お腹と心を満腹にしてから、倉渕町の新築現場に移動します。

現場では根岸表具店さんがボードの下地処理を行っていました。こちらでもお客様にご了承いただき、体験をさせていただくことにしました。根岸先生は仕上げとお同じくらい下地を大切に考えている方です。お客様の家なので当然のことですが、厳しく難しい授業になりました。それでも2人は、真剣に仕事に向き合っていました。

お客様の温かさ
そしていよいよ3日目です。最終日は卒業課題の製作なので、中澤建設総出で生徒さんをお手伝いします。この日は、倉渕町のお客様も建具づくりのワークショップを行う為に作業場に来てくださいました。本当ならば、お仕事とお子様の予定でお忙しいタイミングだったのですが、やるベンチャーを応援してくださる温かい気持ちで、予定を合わせてお越しくださいました。

お客様と生徒さんが一緒に作業を行う訳ではありませんが、同じ空間でものづくりを行うということは気の持ち方が大きく変わるものです。僕と妻は昼食準備をしていましたが、作業場では総勢9名が作業をしていました。



その場にいる全員が木と向き合い、自身で使うものを自分の手でつくり上げていきます。難しい作業もありますが、失敗を恐れずに怪我には十分に注意しながらリアルな体験をすることで、仕事の楽しさというものが伝わると思っています。
かけがえのない時間
そして、伝える側の中澤建設の社員にとってもこの経験は何にも変えられないかけがえのない時間になるのです。本来であれば、お客様がこれからの暮らしの中で使うものは、職人の手でつくられ、お客様が目にするのは完成したモノです。なので、ここで一緒につくることには大きな価値があり、体験だけでなくつくり手の想いを感じてもらうこともできると思っています。

中学生も図面に描いた卒業課題を無事に完成することができました。実物が完成したことで、成功体験になったと思います。それだけでなく、つくる過程で職人さんと一緒に作業したことが2人の人生に刻まれた訳です。そしてそれは、中澤建設で働く僕達にとっても同様で、忘れられない大切な経験になりました。
2人が過ごした3日間が、これから先の2人にとってどのように生きてくるのかはわかりません。
やるベンチャーを通して、たくさんの方々の優しさに触れたと思います。そんな人の優しさが、2人の未来に大きなチカラとなってくれることを心の底から願っています。


ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・
中澤建設は山に囲まれた群馬県高崎市倉渕町にあります。創業50年の大工工務店です。高気密高断熱、許容応力度計算による耐震等級3を基本にしています。新築、リフォーム、リノベーション、店舗等をトータルで設計施工しています。自然乾燥木材を使った地球環境に優しい安心安全な家づくりをしています。
ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・