こんばんわ!
中澤やすゆきです!
大工になったきっかけ
「いつから大工さんになろうと思ったのですか?」
とご質問をいただくことがあります。僕が家づくりの仕事を意識したのは、高校3年生の時です。
家業が工務店であることは承知していましたが、自分がその家業を受け継ぐなんて全く考えていませんでした。仮に中学生の時にその意識があれば工業高校に進学したと思います。
しかし、僕が進学したのは普通高校です。その理由も、進学などを見据えたものではなく、男女共学の普通高校で、ハッピーな高校生活を過ごしたかったからです。
姉のカミナリ
そんな気持ちで高校生活を送りましたので、自分の進路に関してもしっかりと考えていなかったのです。高校2年の3学期、周りが進路のことでざわつき始めた頃です。8つ歳の離れた姉から、
「やっちゃんは、この先どうするの?」
と聞かれたことがありました。
その時に僕は、服が好きだから服飾の学校でも行こうと思っていましたので、その事を姉に伝えました。その瞬間に、当時26歳の社会人である姉のカミナリが僕に落ちました。
高校に入ってからの僕の生活のだらしなさ、身勝手な僕の甘さ、生きるにはお金が必要であること、両親や周りの人に支えられていることを、このタイミングで厳しく姉から教えられることになりました。
そこで僕は家業である工務店の家づくりに初めて向き合うことになりました。しかし、その時から大工になりたいと思った訳でもないのです。大工になりたい気持ちはもちろん芽生えましたが、もうひとつやってみたいことがあったのです。
高校時代の恩師
僕はそのことを担任の先生に相談しました。今まで勉強を真面目にしてこなかったので聞き流される覚悟でしたが、先生は親身になって僕の話を聞いてくれました。
そう感じたのも、
「お前の未来に何が必要か考えるから話を聞かせろ」
と言って、放課後に僕の話をよく聞いてくれていたのです。
それから、先生に薦められてサッカー部に在籍しながら、美術部にもお世話になることになりました。それは高校3年の僅かな期間ですし、美術のスキルが上がったとは到底思えません。
しかし、この経験が出来た事実とその為に動いてくれた先生の姿は、僕にとって忘れられないものになりました。姉に怒られたこと、そして先生に向き合ってもらえたことで僕は生き方を見直すことができました。
倉渕中学校へ
このことを思い出せたのは、ブログを書くにあたり1週間を振り返ったからなのです。先週は、地元倉渕中学校からお声掛けをいただき、倉渕中学校の生徒さんと向き合う時間を過ごすことができました。
高崎市の中学校では、総合的な学習というものがあり、内容は学校ごとで決められるそうです。中澤家の長男と次男がお世話になっている倉渕中学校で行っているのは、「くらぶちタイム」という活動です。

その活動では、地域や社会の事象に目を向けて、1年を通して調査するそうです。様々な探究活動から現状の課題やその原因に気付き、問題解決のための自分が考えた手立てを提案する取り組みをしているということです。
ゲストティーチャー中澤
つまり、倉渕町のかかえる課題に対して、倉渕中学校の生徒さんが向き合ってくれているということです。12月には、地域に関わりのある人をゲストティーチャーとしてよび、その学習をまとめた最終発表会が行われます。
大変光栄なことに、そのゲストティーチャーに、僕も選んでいただけました。先日は、最終発表に向けた途中経過を発表する中間相談会が行われたのです。
7つの分野に分かれている中で僕が参加したのは、建築・設備というテーマです。9人の生徒さんに対してゲストティーチャーは、倉渕支所の方と高崎経済大学の学生さんと僕の3人です。
この中間相談会が始まる前に先生から、生徒さんの発表に関する懸念点や心配ごとなどお話がありました。それも含めて適切なアドバイスをいただきたいということです。
実際に生徒さんの発表を聞かせていただきました。

生徒さん1人に充てられる時間は10分です。発表が1分で、質疑応答や意見交換が9分という時間割です。
僕はこの10分の時間は、ゲストティーチャーもいることですし、事前練習や生徒さん同士で誰が誰に質問するかなどある程度決められていると思っていました。しかし、その予想は大きく外れることになりました。
ガチンコ発表会
生徒さん同士でも発表する内容は、その時に初めて知ることになります。質問も自分が興味をもった内容であれば、厳しい内容がバシバシ飛んできます。
つまりものすごくガチンコなのです。
倉渕町で暮らしている僕達大人も、地域が抱える様々な課題と向き合って生活しています。しかし、困ったと思いながらも、解決する為の手立てなど考えられずに生活をしています。
ところが、この場所にいる倉渕中学校の生徒さんは違います。自分の目に見える倉渕町の課題をしっかりと捉え、解決するために実現が可能な手立てを考えてくれているのです。
1人1人を大切にする学習
こんな素晴らしいことがあるなんて信じられませんが事実なんです。それも、この教室以外の6会場で同じような発表が行われているのです。2時間という僅かな時間ですが、生徒さん、先生、僕達、倉渕中学校にいる全員が倉渕町と向き合っているのです。
地域を考える学習内容を1人1人が発表出来る環境も、このような交流の場も、生徒数が少ない、過疎化が進んでいる倉渕町という地域だからこそ出来ることだと思います。
そんな地域性を活かした学習を考えてくださる倉渕中学校の先生方が、また素敵だと感じています。それは、先生方とお話をさせていただくとしみじみと伝わってくるのです。
お客様との出会い
そして今週は、中澤建設のホームページからお問い合わせをいただいたお客様が、自宅にある中澤建設のお打ち合わせスペースにお越しくださいました。
中澤建設の近隣にある空き家に、県外から移住してきてくださるご家族です。最初に倉渕町を薦めてくれたのは、奥様のご両親とのことです。
倉渕町に来られるようになって、この地域の人の温かさに魅力を感じていることをお伝えくださいました。僕も倉渕町には自然や水や食材などたくさんの魅力があると思っていますが、何よりの1番は人だと思っています。
そんな魅力を大切に思ってくださる、素敵なご家族とご一緒できたこと、そしてこれから同じ地域で暮らせることを心から嬉しく思っています。

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中澤建設は山に囲まれた群馬県高崎市倉渕町にあります。創業50年の大工工務店です。高気密高断熱、許容応力度計算による耐震等級3を基本にしています。新築、リフォーム、リノベーション、店舗等をトータルで設計施工しています。自然乾燥木材を使った地球環境に優しい安心安全な家づくりをしています。
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