伏線回収

こんばんわ!

中澤やすゆきです!

最近はあまり見られていませんが、僕は根っからのテレビドラマ好きです。そんな僕に似たのか中澤家の次男もテレビドラマは好きで、今は「ライオンの隠れ家」を1週間の楽しみのひとつにしています。

次男につられて、僕も一緒に見るようになり、妻も長男も混ざって見ているので、家族で毎週金曜日を楽しみにしています。

みんなで見ていると、ドラマに感情移入しがちな妻のリアクションが非常に大きく、

「ねぇ、聞こえない。静かにして。」

と次男が呆れています。この気持ちはすごくわかって、僕もドラマの内容は一言一句しっかりと聞きたいタイプです。

ドラマの楽しみは、始まりから終わりまでのストーリーはもちろんですが、「あっ、そう言うことなんだ」と言う様々な伏線回収も面白さです。だからこそ、全ての内容を知っていたいですし、全ての内容がとても重要だと思っています。

伏線を張ることは、ドラマに限らず日常でも行うことがありますが、とても難しいものです。先日も、3人のグループLINEトークの中で予定を合わせており、なかなか決まらずにいる中で僕が、

「ラストチャンスでこの日はどうですか?」

とコメントしたところ見事に予定が合いました。

そこで僕が、

「じゃあ、会場はカラオケボックスで決定ですね」

とコメントしようと思ったのですが、僕の伏線が伝わるか心配になり、

「足並みの揃い方がサムシングエルスですね」

とコメントをしてしまったのです。ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、僕達世代では知らない人がいない3人組バンド、サムシングエルスのラストチャンスをトーク内に入れさせていただきました。

サムシングエルスだと2人のどちらかに回収してもらえれば理想的な伏線回収だったのですが、自分で回収してしまった上に1人の方から、

「自分で早めに伏線回収してましたね」

とつっこまれてしまうのですから情けない話です。

ドラマ好きということもあり、物事に対してなんでもストーリーをつけたくなってしまう性格なのですが、家づくりという仕事も伏線回収が集まりのように感じます。

中澤建設のSNS投稿は、妻と僕が行っています。その日その時その瞬間の写真を撮り、メッセージを付けたり、ブログとして投稿しています。

僕はブログを書くことしかできておりませんが、妻は毎週毎週、ある決まり事に添って投稿してくれています。バラバラに見てしまうと何気ない投稿に思えますが、妻の決まり事は伏線回収してみると本当にお見事だと感動し驚きます。

妻と僕のSNS投稿ですが、色々な木が登場したり、職人さんが仕事している様子だったり、時には家族が出て来たりと日常をありのままに出しています。1つの投稿を見ると何気ないものですが、この何気ない日常が家づくりにはとても重要で、全てが家づくりに欠かせないものだと思っています。

中澤建設は、自社で自然乾燥した木材を倉庫から加工場へ持っていき、墨付けと手刻みを行っています。墨付けと手刻みを自社で行うことにより、木材の状態を確認できることで適材適所に使うことができます。

中澤建設の新築では、許容応力度計算による耐震等級3にすることが基本仕様になっています。構造計算は、外部の設計事務所様にお願いしていますが、その基になる桁や梁の木構造は僕が決めています。

木構造は家の間取りであるプランニングと直接的に大きく関係しており、お客様の暮らしやすさと建物に無理がないようにすることがとても重要になります。

自然乾燥した木材の綺麗な木肌を見せることも中澤建設の家づくりには欠かせないものです。その為にも全ての木材と向き合うことができる墨付け手刻みはとても大切な仕事になってくるのです。

そしてもう1つ、墨付け手刻みでしか行えないことが、お客様にご自身の家を加工している様子を見学に来ていただけることだと思っています。倉渕町は高崎市の奥地ではありますが、木々に囲まれた静けさの中で、木材の1本1本を職人が丁寧に加工しています。建築地に行く前に、その木を見て触れていただくことは、僕たちも嬉しいことですし、木も喜んでいることに違いありません。

先日上棟させていただきましたお客様にも見学にお越しいただきました。お客様より、

「この木はどこに使われるのですか?」

とご質問がありましたので、どこで使われるかお伝えするのではなく、印をしていただくことにしました。初めての試みでしたが、アニメのワンピースで海賊王がしていたことに似ていて面白く感じます。

上棟式を執り行った日にお客様と一緒に印を確認することができました。中澤建設の工場でお客様に見ていただいた木材が無事に現場に届き、お客様の家をしっかりと支えています。

お客様がこの木材に書き留めたメッセージは来年行う予定の構造見学会まで残しておきたいと思っています。

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中澤建設は群馬県高崎市で高気密高断熱、許容応力度計算による耐震等級3を基本に、新築、リフォーム、リノベーション、店舗等をトータルで設計施工しています。山に囲まれた倉渕町で自然乾燥木材を使った地球環境に優しい安心安全な家づくりをしている創業50年の大工工務店です。

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考えて、工夫して、考えて

こんばんわ!

中澤やすゆきです!

僕の住む倉渕町は、ネオン街もなく街灯も必要最小限に抑えられておりますので、星空がとても綺麗です。先日も帰宅した時の空があまりにも綺麗だったので写真におさめようと試みましたが、僕のカメラテクニックでは黒い背景に白い点が散りばめられたようなものしか撮影できません。

何とか良い写真を残したくて苦戦していた瞬間に流れ星が視界に飛び込んできました。こんなシャッターチャンスはなかなかありませんが、あの突然訪れる一瞬に反応できず、「あっ、流れ星だ」とただの鑑賞になってしまいました。

星空に限らず、景色なども自分が見て素敵だなと感じるものを、見たものと同じように綺麗に撮影することはとても難しく感じます。だからこそ、本物を見ることに価値があるのかもしれませんが、それでも思わず写真を撮りたくなることはあります。

その感覚は人それぞれ違うと思いますが、僕は何かに向き合って考えている人の姿を見ると写真を撮りたくなるんです。

先日、中澤家の三男がブロックを使って何やら立体的なものを作っていました。こういう時に、大好きな戦いごっこをこちらから申し出ても、

「あとでね」

と相手をしてくれません。ご飯を食べる前も食べた後もお風呂に入る前も、入ってから寝る直前まで真剣にブロックを組立ててる様子はまさに熱中少年です。

そんな三男から、

「今日は一緒に、何でもピカピカにする装置を作ろう」

と誘いがありました。使うのは、ブロックと毛糸と割り箸です。この3点セットで、昨晩は妻と一緒にラーメンを作っていたそうです。プラモデルのように用意された部品を組み上げて1つのものを完成させることも楽しいことです。でも僕は、三男がしているような家にある物を使ったものづくりの方が好きなんです。

 

そんなものづくりは、考えて、工夫して、考えてを繰り返すことに本当の楽しさがあると思っているからです。

今、中澤建設には、父親、原田さん、ともさん、てっちゃん、僕と5人の職人がいます。みんな言葉にはしませんが、作られたものを組み立てるのではなく自分の手で自分にしか出来ないものをつくることにやりがいをもって仕事をしているように感じます。

その自分にしか出来ないことを実現することは、簡単なことではありません。お客様に喜んでもらえるように、まず自分が納得したものをつくらなくてはいけないからです。

その為に何時間も何日も考えますし、何度も挑戦してやり直して、、を繰り返します。真剣に悩んでいる訳ですから笑顔はありませんが、そんな時のみんなは本当にいい顔をしています。

中澤建設にはカーテン事業部もあります。妻が担当してくれており、カーテン生地は自然素材である綿と麻のみのご用意です。中澤建設で生地を用意して実際につくってくださるのは、かつて洋裁の仕事をされていた近所の女性なので、地域の方の手で作られる”MADE  IN  CLOVECHI”ブランドです。

そんなカーテン事業部に先日父親のお客様よりレースカーテンのご依頼がありました。お客様は父親の同級生なので81歳になられる方です。

サンプルを見ていただき、生地が決まったまではよかったのですが、実際にお見積りをさせていただくと既製品のレースの何倍もの価格になってしまいました。

「量販店で購入してきて、新しいものを付けさせてもらった方が価格も抑えられていいのではないか」

と父親に相談すると、父も納得しお客様にその旨をお話しさせていただきました。

するとお客様より、

「あの生地がいいのよ。金額じゃなくて、手づくりのものを提案してもらえて嬉しかった」

とお話があったそうです。正直驚きましたし、僕も妻もすごく嬉しかったのですが、何より父親がとても嬉しそうに話していたことが印象的でした。

僕は自分の判断が間違っていたと心の底から反省をしました。この便利な時代にレースカーテンを量販店で買わずに、父親を頼ってくださった本当の意味に気付くべきでした。お客様は、本物を大切にしている父親だったら、いい物を用意してくれると信じて下さったのだと思います。

僕の間違った考えで、お客様を不幸せにしてしまうところでした。木の素材をいかした家づくりだからこそ自然素材にこだわり、綿と麻という素材を手に取った時の優しい肌触りに惚れ込んで妻と生地を決めました。

その生地が、地域の人の手によって唯一無二の手づくりカーテンに変わることが素敵で、その素晴らしさをお客様に届けたいと思ってオリジナルカーテンをつくっているのですから、よそ見をせずにその想いを貫いていくと心に決めました。

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中澤建設は群馬県高崎市で高気密高断熱、許容応力度計算による耐震等級3を基本に、新築、リフォーム、リノベーション、店舗等をトータルで設計施工しています。山に囲まれた倉渕町で自然乾燥木材を使った地球環境に優しい安心安全な家づくりをしている創業50年の大工工務店です。

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子供達の憧れの存在

こんばんわ!

中澤やすゆきです!

自分が中澤家の三男と同じ6歳の頃は、スーパー戦隊に物凄い憧れをもっていました。普段は、一般人として生活しているけど、敵が登場するとその場にいる人々を守る為に変身をして戦います。一旦その敵を倒しても、必ず巨大化する敵に対しても臆することなく、スーパーロボの必殺技で敵を倒します。

ストーリーは様々な展開がある中で、毎話この繰り返しになる訳ですが、町を守り人々を守る為に敵と戦う姿がかっこいいから僕だけでなく多くの子供達の憧れの存在だったと思います。

それは、僕たち世代だけのことではなくて、現代の小さな子ども達から大先輩の方々まで、男女問わずに感じられる気持ちだと思います。

スーパー戦隊は敵と戦う正義の味方ですが、町を守り、人々や家族を守る為に日々働いているスーパーヒーローがいます。

昨日は、僕が所属します高崎市倉渕商工会青年部の主催で『はたらくくるま大集合』というイベントを初開催しました。同日、同会場ではくらぶちやまなみ祭というお祭りが僕が生まれる前から行われております。商工会青年部として地域の担い手である僕たちが倉渕町を盛り上げたいという想いで、今年からコラボをさせていただきました。

地域性もあり倉渕商工会青年部の部員は、ほとんどが農業・運送業・建設業のメンバーです。広い畑を駆け回る大きなトラクターや荷物を運ぶ大型トラック、地面を掘るためのショベルカーが集まる中で、強力な助っ人の方々も続々と登場します。

倉渕町をいつでも綺麗な環境にして下さっている業者さん、倉渕町を安全で安心な地域に守ってくれている警察や消防の方々もイベントに賛同してくださりはたらくくるまを持ってきてくれました。

会場を囲うように美味しい匂いを漂わせているのは、キッチンカーの皆さんです。初開催ということで来場者の見込みが未知ではありましたが、来てくださった方が美味しいものを食べて喜んでもらえるようにと出店してくださいました。

イベントの中では、参加型のアトラクションも行いました。1つは、青年部員がショベルカーで砂をすくい、桶の中に入れた砂の量を当てるクイズです。ピッタリ賞は、キッチンカーのどれでも1品無料チケットがもらえることもあり子供たちは大盛り上がりです。

「あ〜、1キロ違った〜」

と残念がる子供の悔しそうな表情が微笑ましく感じます。ピッタリ賞なんてあまり出ないと思いましたが、毎回出ていたことには驚きました。

「お母さん、ピッタリ賞でたー」

と子供も嬉しそうですが、報告を受けたお母さんの方が嬉しそうです。

もう1つの企画が、子供チームと大人チームでトラックに繋がった綱を7m引いてタイムを競うゲームです。登場した大型トラックは、伐採した木の幹や枝葉などを運ぶ車で、トラックから箱を下ろしたり、ダンプが出来る車です。

まずは普段見られないような動く様子を見てみたり、実際に箱の中に入る体験をしてその迫力を感じてもらいます。

そしてその後に総重量15tもあるトラックを綱引きします。まずは大人チーム代表として、力自慢の消防隊チームが参加してくださいました。

「よーい、スタート」

合図で始まった綱引きは、トラックを配置する場所の地面の傾斜などが関係して、最初は上手くいきませんでしたが、場所をずらすことで解決してからは各チーム順調にトラックを引いています。

7mを引くのに1分の壁は中々超えることはできない中で午後に入り、

「私たちもやらせてください」

と3人組の女性が来られました。もちろん喜んでと思い、会場にいる方々から集めさせていただき女性限定テームを結成しました。

ここで歴史がかわり、記録は大きく塗り替えられました。記録は1分を大きく切った22秒です。僕は綱引きは力が全てかと思っていましたが、そうではありません。綱引きは美しさと心で引くものなんです。

もうこの記録は破られないと思っていたところ、その後に子供チームが出した記録が20秒です。もう会場は大盛り上がりです。みんなで力を合わせて心を1つにした時の子供たちの力に心強さを感じます。

クイズや綱引きは参加してくれた方々に楽しんでもらいながら、はたらくくるまを知ってもらうレクレーションでしたが、協力して下さった皆さんも様々な工夫をして子供たちが身近に感じられるような体験させてくれました。

『はたらくくるま大集合』では、誰も特別なことなんてしていません。普段仕事で乗っている車両を見せてくれているだけなんです。動かしているのもパフォーマンスではなく日常的な動作で、町や家族を守る為に日々働いているありのままの姿なのです。

子供たちにその姿を間近に見てもらい、はたらくくるまに乗るスーパーヒーローと交流をしてもらうことも大切な目的でした。

緊急車両に乗って嬉しそうにしている子供を見ていたら消防士の方が

「わたしたちが一般の方々と接する時というのは、救助や緊急事態で相手が1番苦しんでいる時なんです。助けたい一心でそこに笑顔なんてありません。だから、楽しく子供たちと交流できるこのような時間は有難いことなんです。」

と嬉しそうに話しかけてくれました。

お伝えいただくまで気付きませんでしたが、確かにその通りです。はたらく皆さんが仕事をしている時は、真剣な訳ですから姿は一緒でもイベントと同じ表情や様子ではいられません。

だからこそ、このイベントには大きな価値と意義があるように感じます。子供たちの未来を守っている姿が憧れの存在でいられるように、大人たちが力を合わせることが大切です。『はたらくくるま大集合』がその架け橋になると思っています。

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中澤建設は群馬県高崎市で高気密高断熱、許容応力度計算による耐震等級3を基本に、新築、リフォーム、リノベーション、店舗等をトータルで設計施工しています。山に囲まれた倉渕町で自然乾燥木材を使った地球環境に優しい安心安全な家づくりをしている創業50年の大工工務店です。

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連続テレビ小説

こんばんわ!

中澤やすゆきです!

初めて倉渕町に来られた人は、周りを見渡せば森林や田んぼばかりで、どこを見ても、どこに行っても同じ場所に感じてしまうかもしれませんが、実際はそんなことありません。

地域ごとに特徴だってありますし、銀座通りだって存在します。僕の住む地域は、繁華街からは車で10分ほど離れていますが、庭には桜の木があって、会社に向かう道中もケヤキやくぬぎなど様々な木が立ち並んでいる素晴らしい場所です。

そして、現在新築工事を進めている地域も倉渕町の一等地だと思えるくらい素敵な場所です。標高は、東京スカイツリーと同じ634メートル、道路も行き止まりで車の通り抜けもありませんので、穏やかに時間が流れる場所です。

お施主ご夫婦は、農業をする為に倉渕町に移住してこられました。この町に来た時は、お互いに単身で倉渕町で農業研修をしている中で、出逢いご結婚をされたということです。

もはや、朝の連続テレビ小説のようなストーリーです。この物語のひと枠に家づくりがあって、中澤建設が出演させていただいております。

今基礎工事を進めさせていただいているのですが、以前お打ち合わせの時に奥様から、

「母の会社でアンカーボルトを製造しているのですが、私たちの家に使ってもらえますか?」

とご相談をいただきました。

お母様の会社でつくられたものが、実際の家づくりに使われるなんて素晴らしいことだとは思いましたが1つ問題がありました。

それは、様々なメーカーのアンカーボルトがある中で、中澤建設が使っているアンカーボルトと合うのかということです。中澤建設では、環境に優しく耐久性に優れたノンクロム防錆処理がしてあるカナイのデュラルコートを使っています。

アンカーボルトは、基礎と躯体を緊結させる重要な金物です。お客様の命を守る家づくりを考えると、アンカーボルトに一切の腐食があってはなりませんので、このデュラルコートを使用しています。

これは中澤建設の家づくりで大切にしていることなので、お客様にこのことをお伝えさせていただきました。すると、

「母の会社で、カナイさんのデュラルコートをつくっているんです^_^」

と、全く想像をしていないお言葉がかえってきました。

本当に驚きました。こんな偶然があるなんて信じられません。家づくりは、木材はもちろんのこと部材1つ1つもこだわりをもって決めています。そのこだわりの逸品をお客様のお母様の会社でつくられているなんて嬉しい出来事です。

そのことを現場で、働いている皆さんに伝えながら先日アンカーボルトの取付けを行いました。2種類のアンカーボルトを鉄筋に固定する作業ではありますが、基礎屋さんにお願いをして、自分たちの手で取付けるようにしています。

中澤建設の渡部てっちゃんもニヤけて仕事をしている訳ではありません。素敵なストーリーに自然と笑みを浮かべているんです。

このアンカーボルトが、許容応力度計算による耐震等級3の基礎と木造躯体を繋げていることで、地震から建物と住まわれているお客様を守ってくれます。

奥様のお母様が、この先何十年と娘さんのご家族を守ってくださっているということです。

アンカーボルトの大切さは、お客様の素敵なお話と一緒にこの先ずっと語り続けていきたいと思っています。

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中澤建設は群馬県高崎市で高気密高断熱、許容応力度計算による耐震等級3を基本に、新築、リフォーム、リノベーション、店舗等をトータルで設計施工しています。山に囲まれた倉渕町で自然乾燥木材を使った地球環境に優しい安心安全な家づくりをしている創業50年の大工工務店です。

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僕にとって大きな変化

こんばんわ!

中澤やすゆきです!

本日は日曜日なので、中澤建設で働くみんなも休んでいますし、仕事で使う車両や作業場の中にある木工機械もお休みです。普段の全てがフル稼働で働いている様子も好きなのですが、静かな休日の作業場を眺めることも僕にとっては癒しの時間です。

今日はこの時間を利用して、自分の手道具であるノミやカンナの手入れをすることにしました。仕事で使う電動工具は、壊れたら修理をしたり、新しいものを購入すればよいのですが、大工道具に関してはそう言う訳にいきません。

刃物の切れが悪ければ自分で研ぐ必要がありますし、研がなければ良い仕事など出来る訳がありません。とは言え、様々な業務がある中でどうしても後回しにしてしまっていましたので、ここ最近は仕事終わりの夜や早朝に手入れをしていました。

それでも時間が足らずに、妻に子供たちをお願いして今日は研ぎごとに専念しました。すると妻から、

「やっちゃん、ついでにわたしの包丁もお願い出来る?」

と言われました。ここで困ったのは、お恥ずかしながら僕が今まで包丁を研いだことがないと言うことです。ここで、自分の道具は研げるのに家の道具は研げないなんて言えるはずもなく、包丁を預かり作業場に向かいます。

全くわかりませんので、事務所にいた父親に研ぎ方だけ教わります。いざ始まった包丁研ぎですが、これが結構難しいんです。刃物は切れなくなってから研ぐものなので、研ぐからには切れるようにしなくてはいけません。

包丁研ぎは初めてとはいえ、僕だって大工の端切れとしての小さなプライドを持っています。切れる包丁で料理をしている妻を見ることが自分にとっての合格点です。苦戦しながらも研ぎおわった包丁を妻に届けて大根を試し切りしてもらいました。

まずは輪切りにスパッといった妻の反応は、

「、、、、、(無言)」

その後、ぐるっと一回り皮を剥いた妻から、

「、、でも、切れてるよ。ほら。」

優しい妻の僕に気を使ってくれた一言です。包丁ですから切れるのは当然です。研ぐ前よりも切れていなくては意味がありません。

そのあと、別の部屋に行くと偶然にもテレビショッピングでよく切れる包丁を宣伝していました。

「片手で力を入れなくてもスパッと切れる」

とこの言葉が僕にはチクチクと刺さります。

僕の包丁研ぎはまだまだ経験が足りませんので、研ぐ前後で大きな違いがありませんでしたが、今週過ごしたある2日間は僕にとって大きな変化を得られるものとなりました。

それがお仲間の皆さんと行ったTYS会の福島研修です。この会は、3〜4ヶ月に1回の頻度で仕事終わりの夜に食事をしながら建築従事者のお仲間と意見交換を行う集まりです。今回の福島研修では、高気密高断熱の家づくりで肝となる断熱材の勉強が目的でしたが、それだけではなく、建築人として生きていく上で必要な知識と知性、そして心の在り方を学ぶことになりました。

研修に行ったのはパラマウント硝子工業さんのグラスウール断熱材を製造している工場です。家づくりの仕事に携わってから20年経ちますが、グラスウールは何度となく手にしてきました。

しかし、完成品とカタログだけではその素晴らしさを知ることは出来ないことを感じました。使用されている原材料は全てリサイクルのガラスであること、メーカーさんの想い、品質の高さと製造過程を見ることで、しっかりと理解することができました。

中澤建設の新築住宅では羊毛断熱材を基本仕様としてはいますが、この日は断熱材の勉強会です。TYS会の皆さんが使っている断熱材は様々ではありますが、断熱材が家にとってどれほど大切なものなのかをパラマウントさんに教えていただきながら、高性能な家づくりをより良くする為の意見交換をさせていただきました。グラスウールの素晴らしさはもちろんですが、断熱材の重要性、そして改めて羊毛断熱材の素晴らしさを感じられる結果となりました。

夜は恒例の食事とお酒を交えてのアウトプットです、と振り返ろうと思いましたが、この2日間は最初から最後まで”伝え、伝えられる、伝え合う”時間でした。温泉に入っても裸になると話す内容もより深くなり、のぼせる直前まで語り合うことになりました。美味しい食事とお酒を交わしながらのアウトプットは、歴史の教科書に載っている「鳴かぬなら、、、」の言葉を借りて人との向き合い方を語り合いました。

部屋に戻り、日を跨ぐまで続いた語りは、6人川の字になって眠る直前まで終わりません。

2日目に行ったさざえ堂では、皆さん建築人としての血が騒ぎ、様々な方向から建物を分析していました。さざえ堂は最上階まで行けるのですが、登る人と下る人が会わない構造になっています。設計をされた方そして組み上げた大工さんに感銘してしまいます。

この研修を計画して下さったのは、先輩工務店の田村工業(株)田村さんです。経費の計算から、全日程とその段取りの全てを計画してくださいました。誰かに任せる訳でもなく、言葉だけで伝える訳でもなく、資料作りから段取りまで細かな計画をされる様子は僕が見習うべき姿だと感じました。

1日目の夜に田村さんから、僕達に伝えていただいたお言葉がありました。そのお言葉に胸が熱くなり込み上げてくるものがありました。建築人として、1人の人間として、生きていく上で1番大切なことを教えていただけるようなお言葉でした。

この研修は平日でしたので、仕事を会社のみんなにお願いし、行ってくることができました。

お陰様で自分の気持ちや考えに変化が生まれたように感じます。

昨日、お打ち合わせを進めさせていただいているお客様にプランニングの提出をさせていただきました。間取り計画は研修前に出来ていたものです。プラニングの計画図はどのお客様にも自分で手描きしたものをお渡ししています。いつも通りにプラニング計画図を書いていると、この間取りに込めた想いをもっと伝えなくてはいけないと感じました。どんなに頭や気持ちで想っていてもそれだけではお客様には伝わりません。きちんと伝える為に文字や言葉でアウトプットしなくてはならないのです。

福島研修はその大切さを感じることができた、

かけがえのない時間になりました。

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中澤建設は群馬県高崎市で高気密高断熱、許容応力度計算による耐震等級3を基本に、新築、リフォーム、リノベーション、店舗等をトータルで設計施工しています。山に囲まれた倉渕町で自然乾燥木材を使った地球環境に優しい安心安全な家づくりをしている創業50年の大工工務店です。

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信じられない出来事

こんばんわ!

中澤やすゆきです!

今日から9月になりましたので、中澤家の子供たちの夏休みもいよいよ終わりを迎えることになりました。僕にとって夏休み後半の定番と言えば、昨日今日でやっていた24時間テレビです。

「武道館に募金に行けないけど、俺たちも24時間寝ないで応援しよう」

と、中澤家で友人たちと過ごしていたのが、小学生の高学年から中学3年の頃だったと思います。この時の意気込みは、徳光さんに引けをとらなかったと思います。夜通しで応援するとなれば、自分達もお腹が減りますので、夜食やお菓子を持ち寄って気合い十分で望んだのですが、予定通りにことが進まないのが年頃男子です。

マラソンがスタートしてしまえば、気持ちは別のことろにいってしまいます。くだらない会話で盛り上がり、そうこうしているうちにゲームが始まり、そのうちお腹が減ってきます。夜中に腹ごしらえをすれば、今も変わらず情けないほど夜が弱い僕は早々に夢の国へ行ってしまいました。

いつまでも寝ていられないと、目を覚ますと友人達は寝ずにゲームをしていて、寝不足で血走っているみんなの目は今でもよく覚えています。

そのままダラダラと一日を過ごして、残すところ2時間くらいになると再びテレビを見て、会場と心をひとつにサライを熱唱してフィナーレというのが、夏の終わりの思い出でした。

そんなことを懐かしく思いながら、日中にテレビを見ていると、流れていたのは、八代亜紀さんが生前に行っていた様々な活動のことでした。

僕の中で八代亜紀さんは1人の歌手としての認識しかありませんでしたが、実際はそれだけではなく、歌声や様々な活動を通して、多くの方々を幸せにする為の行動をされていました。

もしかしたら、

「だから何?そういう活動をされている方々はたくさんいる。芸能人だから注目をされているだけでしょ」と思う方がいらっしゃるかもしれません。

そして、このテレビ企画に賛否の意見があることをお聞きしたこともあります。番組で取り上げられている内容は、この24時間の間だけ注目すればよいことではなく、365日一分一秒どんな時でも考え続けなければいけないことです。

それは十分承知してますが、自分にとっては、テレビの画面越しに、知らなかったことを知れるこのような機会がとても大切だと思うんです。気付けることでそこから意識を深めることが出来る、これは人が前進することで大事なことだと感じています。

昨日は、いつもお世話になっております、結めぐるの篠崎未歩子さんに繋いでいただき、素敵なご家族様とお会いさせていただきました。こちらのお客様は、新築住宅を検討されている方ではなく、今住まわれている家のお悩みがあって中澤建設にお越しくださった訳ではありません。

今住んでおられる家は、高気密高断熱で高耐久な家づくりを一緒に勉強させていただいている太田市のお仲間工務店さんで新築されました。なので、住んでいる家は快適で不満など全くない様子です。建てられた家にも素敵な名前がつけられており、お話をお聞きしているとお客様は、お仲間工務店さんの大ファンとのことで、相思相愛の惚れ惚れしてしまう程の関係性でした。

じゃあ、なぜ中澤建設にお越しくださったのかということになります。それは今から一年二ヶ月ほど前、まだ新築工事中の時に先輩工務店さん方と一緒に僕と当時中澤建設で修行をしていた松島くんで、断熱気密工事のお手伝いに行かせていただきました。お手伝いと言っても、僕自身も学びに行かせていただいたようなものなのですが、昨日お越し下さった理由は、その時のお礼を直接僕達夫婦に会って伝えたいということでした。

僕にとってみたら、そのように思ってもらえるお気持ちだけでも十分過ぎるのですが、車で2時間ほどかかる中をご家族でお越しくださったのです。数時間という限られた時間ではありましたが、同じ場所、同じ空間で同じ時間を過ごさせていただいたことで、直接お会いしないと伝わらない気持ちがあることをあらためて感じました。

その気持ちは、どんな上手な文章でも、どんなに丁寧な言葉にしても会うことでしか伝わらない気持ちなのかもしれません。

そして、そんな素敵なご家族だからこそ、僕達夫婦からも様々なお話をさせていただきました。自分達の話にも真剣に耳を傾けてくださり、アドバイスまでいただけること、これもまた信じられないことだと感じます。

この出会いは、自分の意志では叶うことが出来なかったことだと思います。お客様の強い想いとお仲間工務店さん、篠崎さんに繋いでいただいたご縁によって生まれた出会いです。

これは、本当に素敵な出来事だと思います。

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中澤建設は群馬県高崎市で高気密高断熱、許容応力度計算による耐震等級3を基本に、新築、リフォーム、リノベーション、店舗等をトータルで設計施工しています。山に囲まれた倉渕町で自然乾燥木材を使った地球環境に優しい安心安全な家づくりをしている創業50年の大工工務店です。

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止まらずに動くこと

こんばんわ!

中澤やすゆきです!

最近、お会いする方から

「やっちゃん、お父さんによ〜く似てきたね」

と言われることが増えてきたように感じます。以前も、いや昔からよく言われてはいましたが、

『よ〜く』という言葉からも伝わってくるように、お伝えくださる方の心からの思いを感じます。

顔が似ているのに加えて、夏場の日焼けで2人とも黒光りをしており、薄暗くなれば歯しか見えません。ますます見分けるのが難しいですね💦

先日も、父親が昔からお世話になっているお客様のお宅で2人で作業をすることがありました。その様子を見ていたお客様からも、

「どっちがお父さんで、どっちが息子さんかわからないわね笑」とお伝えいただきましたので、いよいよ何か見分ける方法を考えなくてはいけません。

父親も今年81歳になりましたので、現場仕事や高所作業などは控えながら、木材の加工や作業場周りの草刈りや片付けなど会社の為に働いてくれています。

雑用のように思われるかも知れませんが、父親がやっている作業も誰かがやらなくてはいけない大切な仕事ですし、本人が率先してやってくれているので本当に助かっています。

たまには母親と2人で旅行でも行ってくればいいと思いますがそれが出来ない父親です。何十年とフル稼働で働いてきたタイプなので、ゆっくり毎日を過ごすなんて出来ないのだと思います。

先日参加させていただきました、自立循環型住宅研究会の関東ゼミで、講師の森こうすけさんがエアコンもフル稼働での運転をすることが望ましいとおっしゃっており、父親が動き続けていることも良いことなんだと感じた場面がありました。

今回の関東ゼミも空気線図と計算式を交互に、にらめっこしながら過ごす時間になりました。自分が設計させていただくお客様の家には、何畳用のエアコンが何台必要なのか、今まで何度となく考えてきたことです。関東ゼミでは、そのエアコンを選定する為の根拠を学んでいる訳ですが、僕にとっては果てしなく奥の深い内容です。

エアコンを選定するのに大切なのは家の大きさではなくて、家の中にある空気です。その空気の温度は何℃で、湿度は何%で、実際に何gの水分が含まれているのかをまず知る事が必要です。じゃあ、その空気は一体どのくらいの値だと快適だと感じられるのか?を理解しなくてはいけません。

それから、換気方法は熱交換できるのかできないのかで、温度と湿度の環境は大きく変わることも計算をするとよくわかります。換気を24時間することで家の中にいつでも新鮮な空気を入れることができます。その時に室内で快適と感じる空気をそのまま外に排出してしまうのはもったいないので、新鮮な外気と混ぜ合わせればいいのです。そんなことができるのが、熱交換換気システムであり、どれだけお客様の生活に大きな効果を生んでいるのかを知れることができます。

当然のことながら、窓の計画もしっかりと反映されます。冬の日射は太陽の恵ですので、ありがたいことに無料の暖房です。しかし、夏場に関しては家の中には取り入れたくはありません。日差しは遮断して、明るさはほしいのですから都合の良いことを言ってしまいますが、太陽に感謝する気持ちを持ちながら窓の計画をしないといけません。

そして、根拠を持たせる為に行う計算式で、何より効果が大きいのが外皮性能です。それも数値だけではなく、きちんと施工されている高気密高断熱でなければ意味がありません。せっかくこのように様々なことを教えていただき、学べる環境にいれるのですから、計算通りピッタリなんて難しいかもしれませんがより計算結果に近い環境にしなくてはいけません。その為に断熱気密の現場施工が数値通りでなくてはいけないのです。

実際には、熱源になるような家電製品も家族の人数が多いことや、家の中で子供が走り回ることも、夏場の計算式では負荷になってしまいます。でも、それが悪いことなんて一切ありません。

大切なのは、全てを理解した上でエアコンの計画をすることです。目に見えない空気の世界は、まだまだ学ぶことが山ほどあるように感じます。父親やエアコンのように、僕自身も止まらずにフル稼働で進んでいきたいと思います。

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中澤建設は群馬県高崎市で高気密高断熱、許容応力度計算による耐震等級3を基本に、新築、リフォーム、リノベーション、店舗等をトータルで設計施工しています。山に囲まれた倉渕町で自然乾燥木材を使った地球環境に優しい安心安全な家づくりをしている創業50年の大工工務店です。

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ここだから出来ること

こんばんわ!

中澤やすゆきです!

倉渕町にある小学校は1つなので、中澤家のように奥地の子供も銀座通りに住んでいる子供も町内各方面から集まってきます。登校手段も様々で、学校の近隣に住んでいれば歩きの子もいますが、場所によってバスやタクシーを用意していただき登校しています。

以前は歩くことも大事だと思っていましたが、最近は毎週のように熊の目撃情報が報告されていますので、バスやタクシーは安全に登校できる手段として有難く感じています。

僕が自宅から作業場に向かう道中から、中澤家の子供が待っているバス停が見えます。直線距離で100mくらいなので、時間があえば

「行ってきまーす」「行ってらっしゃーい」

と手を振り言葉を交わせるくらいです。

なので時には、

「ばーちゃんに言い忘れたんだけど、4時頃迎えに来てくださいって言ってもらえるー?」

と大声で子供から頼まれることがあります。そこそこ大事な内容で、もし僕がここを通らなかったらどうするつもりだったのかと思いますし、聞かれて困る内容ではありませんが個人情報ではあります。

でもこれが僕の愛する町の様子です。他に騒音なども特になく、聞こえてくるのは鳥の鳴き声くらいなので声がよく通ります。近所の方々もこの様子を温かく見守ってくださる、こんなことが出来るのも倉渕の魅力、倉渕だからこそ出来ることだと感じます。

僕のことになりますが、「中澤ブログ生活」も2020年5月16日(日)に開始、毎週日曜日に更新して5年目になり、今回で219回目の投稿になります。これも読んでくださる皆様と支えてくださる方々のお陰様だと心底感じております。

最初の頃と言いますか、少し前までは事前にブログをつくっておいて、日曜日に見直しをして投稿していたのですが、最近では少し変わって日曜日に書くようになりました。その方が言葉を作り過ぎなくなりますし、1週間の終わりでもあり始まりでもある日曜日に気持ちを整理できると感じるからです。

場所もどこでもいい訳ではなくて、倉渕じゃないと頭が働かないことに気付きました。子供の送迎の待ち時間に考えようと思ってもどうも捗らなくて、家に帰ってくると子供が騒がしくても集中できるんです。不思議には感じますが、やっぱり倉渕という場所が自分にとって心が落ち着く場所なのだと思います。

今作業場では、中澤建設の建具部門で大きな役割を持つ事業の計画と準備を建具職人のともさんと一緒に行っています。その内容は、木製開戸(ドア)や木製引戸と言った”建具”とその建具を取付ける”木枠”をセットにして中澤建設の作業場で製作するということです。

中澤建設の例で言うと、今までは僕達大工が木枠を取り付けて、その木枠の寸法に合わせてともさんが建具をつくってくれていました。これは建築業界では当然のことなのですが、ともさんと話をする中で建具屋さんにとって想像以上の大変さがあることを知りました。

建具部門

それは、納まり、床養生、寸法、金物選びなどです。建具屋さんは工事の後半になってから正確な情報がわかるようになります。工期が迫る中の限られた時間の割に決める事や行う作業が多過ぎるんです。

その他にも、建具の採寸に現場に行った際に

「ここをこうしてくれれば」

など思うことがあるようです。その内容も僕達大工が少し気をつければ良いことで、そんなことの積み重ねが建具屋さんにとっての大変さになっていました。

だったら、木枠と建具を同じ場所で、同じ人が製作するのがいいと思ったんです。そして寸法を規格化すれば、採寸に行く必要がないので時間も燃料もかかりません。取り付ける際に現場を汚すこともありません。寸法も決まっていれば材料にロスが出ないように計画できます。

建具部門

このようにイメージはとてもし易いのですが、実際に目の前に出てくると問題点が山のようにあることを痛感しております。建具をつくる立場と木枠をつくる立場でお互いの考えを伝え合う、先週はともさんと何時間も打ち合わせをしました。もっと言えば、この半年間で何十時間と話をしてきました。

実際に加工したことで、わかったこともたくさんありました。その度に手をとめて軌道修正をして進み、また止まっては進むの繰り返しです。ほとんど足踏みのように見えますが、ほんの僅か少しずつ前に進めているのだと思います。

規格になれば、ベニヤなどの新建材を一切使わず、全てが倉渕で自然乾燥された木材でつくられていて、養生や削りなどで現場に発生するゴミを最小限に抑えられる製品になります。これも倉渕だから出来ることであって、中澤建設がやるべきことだと思っています。

まだまだ、この挑戦も山の麓でこれからたくさんの壁にぶつかると思います。協力してくださる皆さんに助けていただきながら、アドバイスをいただきながら、より良いものになるように一歩一歩を進んでいきたいと思います。

建具部門

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中澤建設は群馬県高崎市で高気密高断熱、許容応力度計算による耐震等級3を基本に、新築、リフォーム、リノベーション、店舗等をトータルで設計施工しています。山に囲まれた倉渕町で自然乾燥木材を使った地球環境に優しい安心安全な家づくりをしている創業50年の大工工務店です。

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裏話

こんばんわ!

中澤やすゆきです!

ちょうど1週間前に松島君が修行を終えて、大間々町に帰って行った訳ですが、お別れの当日に僕と妻の中では大問題が発生していました。

1年半の間、ひとつ屋根の下で父親、母親、妻と3人の子供に松島君と僕で8人暮らしをしていました。月9の枠は取れないまでも、ゴールデンタイムに「大家族スペシャル!中澤さんちが大変だ!」みたいな特番は撮れるくらいのドラマは日々あったように感じます。

このような番組ですと、最終回がとても楽しみですし、ノンフィクションなので僕と妻もどんな最後になるのか全く想像出来ませんでした。少し前から決めていたのは最後は家族みんなで夕食を食べて松島君とお別れしようということです。そしてこの流れだと、おそらくハンカチは手放せないことも予想していました。

しかし、そんな最終日の直前に問題が勃発しました。それは、妻の前歯が無くなるとか、長男が突然いなくなるとか、よくあるパターンではありません。最終日の数日前から父親と母親が険悪な雰囲気になってしまったのです。正確にいうと母親が父親に対してとても怒っています。

こういうことが時々あるのですが、母親の父親に対する積年の恨みは非常に根が深く、父親が僕に、

「あの時のことを今でも言うんだぜ。たまったもんじゃねぇよ」

とボヤくこともあります。でもこれは母親からしてみたら、とても酷いことをされたと感じているのですから仕方ありません。

こればかりは男女の問題ですので、答えなど無いと思いますが、困ったのはこの空気感で松島君と最後の夕食なんて想像もしたくないということです。終わり良ければ全て良しなんて望んでいませんが、最後は気持ち良く送り出してあげたかったのです。

どうにかならないかと考えている中で妻から

「美味しいから、ばーちゃんにうどんを作ってもらおうよ」

と提案がありました。なんかよくわからないけど、寿司とか肉とかちょっと豪華にと思っていましたが、最後にみんで母親自慢の手打ちうどんを食べるのは、中澤家らしくて名案です。

とは言え、これで母親の父親に対する機嫌がよくなる保証はありません。神にもすがる想いならぬ、うどんにもすがる想いで、妻からも僕からも母親にお願いをしました。

「最後に私のうどんじゃなくてもいいでしょ」と照れながらも嬉しそうな様子を見て、まずはいい感じです。

松島くんの修行生活が終わりに近づくにつれて

「あと1週間なんだね」

「洗面所から歯ブラシがなくなっていたね」

と1番寂しそうなのが母親だったかもしれません。毎日妻と一緒にご飯を作ってくれて、休みなく洗濯もしてくれていたので、ほとんど孫のように思えていたのかもしれません。

そんな母親に得意なうどんを作ってもらうなんて、妻もさすがの演出です。これで、母親の気持ちは少し紛れるかもしれませんが、父親への苛立ちは変わらないと思います。そんなことを思いながら迎えた最後の夕食ですが、両親もそれほど険悪ではなく、想像していたような雰囲気ではありません。

なんなら少し仲良くなっているようにも感じます。

妻からも

「じーちゃんとばーちゃん仲直りしてない?

何があったのかね?」と聞かれたのですが、その答えを僕は目撃しておりました。みんなが出掛けて家にいない間に、2人でうどんをつくっていたのです。うどんを作り終えた道具を2人で片付けているところを、帰宅した僕は見てしまったのです。

その事実を妻に伝えると、

「やっぱり、共同作業って大事なんだねぇ」

としみじみ言っていました。本当にそう思います。例えケンカをしていても同じ目的で行う共同作業は最高のコミュニケーションだと思います。そして、共同作業が出来るような環境を提案したのは妻です。ここまでの思惑はなかったと思いますが、結果的には全てが良いカタチになったのですが、これしか無い最高のサポートだったと思います。

昨日は、所属しております

住まいるLab.」群馬支部のBBQが開催されましたので、三男と一緒に参加させていただきました。

「住まいるLab.」は、福島、茨城、栃木、群馬の工務店、設計事務所、建材店をメンバーとした家づくりにおける情報交換の場所になっており中澤建設も所属しております。

通常は高気密、高断熱、高耐久に関わる施工方法や建材などを座学で学んだり、メンバーの工務店さんが施工された建物を見学させていただく活動をしているのですが、昨日は番外編としてメンバーでBBQマイスターの生形さんにプロのBBQ料理をご馳走になりました。

匂いだけでご飯が何杯も食べられそうで、実際の味と言ったらもう言葉にできません。僕の知っているBBQでは絶対に出てこないジャークチキンが登場し、BGMはレゲエミュージックといった生形さんの粋な演出により会場はまるでジャマイカです。

最高な中南米雰囲気の中ではありますが、聞こえてくる会話も見ている資料もやはり家づくりの内容です。例えBBQの時でも、どんな時でも家づくりを大切に考えている皆さんだから会話は家づくりのことばかり、とても素敵だと思います。そして、それだからこその住まいるLab.だと思います。

僕は子供と一緒にお伺いさせていただきましたが、子供が退屈しないようにと、水鉄砲を用意してくださいました。お陰様で的になる僕達はずぶ濡れにはなりましたが、子供たちはとても楽しそうで、誰でも参加できるという住まいるLab.のコンセプトは、こう言う細かな心づかいにあるのだと感じました。

そして、会場にいらした女性の方々には準備から洗い物など様々なことでお世話になりました。工務店さんによって活躍される立場はそれぞれかと思いますが、細かなところに気付き、すぐに行動にうつせる、これは本当にすごいことだと感じます。

やはり、女性の方々の存在と支え、そして活躍なくして会社も家庭も社会も成り立たないことを深く感じることができました。

中澤建設も夫婦工務店です。自分が想うように仕事が出来ているのは妻の存在があってこそです。ならば、それをしっかりと理解した上で、自分に出来ることを考え行動し、言葉のひとつひとつも気をつけなくてはいけないと改めて感じました。

BBQも終盤になり、空模様があやしくなってきました。片付けをする頃には、一緒に参加したお子様と中澤家の三男は2人だけで遊べるくらい仲良くなっていました。三男は慣れない場所に最初は車から降りてこられずにいました。だけど、水鉄砲で遊んでずぶ濡れになったり、公園で一緒に亀を見て大盛り上がりしたことで、仲良く遊べるようになったのです。

同じ目的をもった人と、同じ時間を過ごせることが「住まいるLab.」の大きな魅力のひとつだと感じています。その想いは僕たちのような大人だけでなく、小さな子供たちにも伝わったように感じます。

亀のいる沼

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中澤建設は群馬県高崎市で高気密高断熱、許容応力度計算による耐震等級3を基本に、新築、リフォーム、リノベーション、店舗等をトータルで設計施工しています。山に囲まれた倉渕町で自然乾燥木材を使った地球環境に優しい安心安全な家づくりをしている創業50年の大工工務店です。

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夢の続き

こんばんわ!

中澤やすゆきです!

中学生や高校生つまり青春時代の頃、寝ている時に夢を見ていて、あともう少しのいいところで目が覚めてしまったことは誰もが経験したことだと思います。こんな時、夢の続きが見たくて直ぐに目を閉じても中々眠れず、仮に眠れたとしても夢の続きは見れないものです。

こうなると目覚めてからもすぐに起き上がらずに、天井を見上げながら

「またこんな夢みたいな~」

と余韻に浸る、お恥ずかしながら僕はこんな思春期を過ごしていました。

寝ている時に見る夢の内容は本当に不思議なものだと感じます。自分では考えてもいないような夢を突然みたり、怖い夢をみたり、僕が青春時代に見た年頃男子には嬉しい夢を見たりします。見た後の心情もそれぞれで、

怖い夢ならば、

「夢でよかった」と安心しますし、

不思議な夢だと、

「何でこんな夢を見たんだろ?」と考えてしまいますし、

楽しい夢ならば、

「覚めないでほしい」と感じます。

今日は令和6年6月30日、松島くんの住み込み修行生活が終了する日です。今振り返ってみると松島君がいた1年半が僕には夢のような時間に思えます。

松島君は、令和5年の1月5日に中澤家に引越してきました。

松島君が中澤建設の修行を始めたきっかけは、大学を卒業して実家のお父さんが経営される松島匠建

に就職し1年半が過ぎた頃に、

「もっと他の工務店の仕事を見てみたい」

と思ったことからです。そんな想いを日頃よりお世話になっている建材流通業の方に相談し、候補としてあげていただいたのが中澤建設ということです。

お話をいただいた時は2~3週間ほど働きながら勉強させて欲しいということでしたが、僕はお断りさせていただきました。理由は松島くんがしている事が学生の勉強ではなく”仕事”だからです。2~3週間で覚えられるほど簡単なことではありませんし、やったとしても意味がない時間になってしまうと感じました。

お断りをした代わりに僕から、実家を離れて3年間の修行に来ることを提案させていただきました。この提案を予想もしてなかったと思いますし、とても悩まれたと思います。僕だって自分で言っておきながら自分の言葉に驚きました。

今まで若者育成を出来たこともないのに、会社にも妻にも相談をせず、よくそんな大それた事を言えたと思います。僕も親方のもと5年間の修行をさせていただきました。その経験があったからこそ、松島君に修行が必要だと感じたのです。

話し合いを重ね、松島君の修行が大工になる為ではないということでしたので、まずは最低1年ということで修行がスタートしました。そして1年が経過する昨年末に

「あと半年間お願いしたいです」

とお話があり、半年延長したことで本日を迎えることになったということです。

1年半、松島家の大切な跡取りをご両親からお預かりして、同じ屋根の下で寝て、同じご飯を食べて、一緒に生活をしてきました。そこには中澤家のリアルな日常があり、住み込み生活は大変なことだったと思います。おしどり夫婦の僕と妻だって険悪な雰囲気になることだってあります。試験勉強をしていても遊んで欲しい子供はおかまいなしです。家族が多い分だけ気を使い、肩身の狭い想いをしたと思いますが、文句も言わず逃げ出さずによく過ごし抜いたと思います。

仕事に関しては失礼を承知で素直に感じていることを書きます。ハッキリ言って仕事はまだまだです。それは当たり前のことなんです。大学を卒業して、松島匠建さんに1年半、中澤建設に1年半、まだ3年しか経過していないんです。僕なんて、修行を始めて3年目なんて、修行先の会社にとってなんの役にも立たない、ただのお荷物でした。

僕と一緒にしてほしくないと思いますが、3年目なんて誰だって仕事ができる訳がありません。若くして一級建築士に合格したことは本当にすごいことですが、まだまだこれから学ぶことが必要な27歳の若者なんです。

「修行に行ったのに、、、一級建築士なのに、、、こんなことも知らないの?」

と思われることがあるかもしれませんが、それは僕の責任です。業務の予定などが変更したことで、僕が想像していたよりも現場経験をさせてあげられませんでした。本当はもっともっと現場を見せてあげたかった。

だから松島君に関わりのある皆さんにお願いです。

今の松島君には知らなければいけないことがまだまだたくさんあります。なので、

「こんなことも知らない」と思わずに小さな事でも教えてあげてほしいと思います。

ここからは、松島君にメッセージです。

修行は大変だったと思うけど、本当に大変なのはこれからだと思います。さとちゃんはいつか自分がかっこいい存在になりたいと思っているけど、そのかっこいい存在は、お客様の幸せとお客様の命と松島匠建の未来を背負っていく存在でなければいけません。今のさとちゃんには、それほど重たいものを背負うことはできません。

じぁあどうすれば良いかと言えば、自分の意思で先輩工務店さんやお父さんから建築を学び続けるしかありません。綺麗さなんていらないから

現場の誰よりも汗をかいて、恥ずかしいことなんてないから恥をしのんでわからないことは聞けばいいんです。ズボンが擦り切れるくらい地面に膝をついていると新しい発見があります。這いつくばって埃だらけにならないと見えない世界が現場にはいくらでもあります。そんな松島君の姿を見てかっこいいと思ってくれる人が松島君の仲間になる人達だと思います。

そして、今は何でも挑戦するしかないと思います。失敗を想像したり、上手くいくか考えていると自然と壁が低くなって失敗しない道を選んでしまう。これでは真の挑戦にはならないと思います。とにかくやってみて、失敗したとしてもその先に大きな成長が待っています。だから失敗なんて考えないで、挑戦してほしいと思います。

それから学びと成長の影には必ず協力してくれている人がいることを忘れないでほしいです。1人でできることなんて何1つもないのだから、自分1人でできたと思わずにどんな時も感謝の気持ちを忘れないことが大切です。

これが修行の最後に伝えたかったことです。今日という日が近づくにつれて、来週からさとちゃんいないんだなと寂しかったのが本音です。そして、さとちゃんのことが心配で仕方ないのも本音です。

でも昨日話をしていて、今のさとちゃんなら大丈夫だと確信をしました。修行した日々はさとちゃんの身体に染み込んでいるはずだから、振り返えらずに真っ直ぐ進んでほしいと思っています。

最後にさとちゃん、中澤家に来てくれて、中澤建設を選んでくれて本当にありがとう。