木のこと

木への想い

中澤建設の家づくりに木は欠かせない存在であり木と共にあることを感じます。

自然素材である木は無限にあるものではなく限りある資源です。

大自然の恵みである木に感謝をして家づくりをすることはもちろんですが、お客様に木と共に暮らしていただきたいと思っています。

友達と遊んでいて暗くなってきた時、学校が終わった時、一日仕事を頑張った後に人は家に帰ります。

帰ってきた家には、住む人の様々な暮らしがあると思いますし、さまざまな幸せがあると思います。

でも必ず言えることは、家は心と体を休める場所であるということです。

「休」という漢字でもわかるように人は木に寄り添うことで休息をとることが出来ます。

自然乾燥

木は中澤建設の家づくりに欠かせない存在です。

そんな木に対して感謝をする取り組みの1つが木材の自然乾燥です。

家づくりで使われる姿になるまでに木は様々な場所でその場にいる人の手によってカタチを変えていきます。

山で育つ木を伐採することは、私たち人間が生きて行く為にとても大切なことです。

木をはじめとする植物は二酸化炭素と水を吸収しながら、日の光を利用して人間や動物が生きる為に必要な酸素をつくってくれます。

これはよく知られていることですが、一定の成長を遂げると酸素をつくる働きが小さくなります。

周りで成長している木も大きくなり満遍なく日の光が当たらなくなることが原因です。

そうすると山の土壌を支えている木の根も弱まってしまい放っておくと土砂崩れが発生してしまう恐れもあります。

そうなってしまう前に木に対してたくさんの日が当たるようにし、健全な森林をつくるために木を伐採する間伐を行います。

間伐をすることで木の根も張り、土壌に日が届きます。

草などの植物の成長を促すことで、強固な土壌をつくることが出来ます。

林業の方に伐採された木は家づくりで使用する為にカタチを変える必要がありますので製材所に移動します。

製材所では丸太で運ばれた木が様々な姿に変わります。

木は同じ場所で生きていても日の当たり方や風の当たり方など育ってきた環境が違いますので、その木が持つ特徴やクセも同じものがありません。

そんな木の特徴を見極めて丸太から変身させるのが製材所の職人さんです。

僕が知る中で誰よりも木と向き合い、木を知る方で木材の分野で言いますと僕の師匠とも言える方です。

こうして製材所で姿を変えた木材ですが、まだ家づくりで活躍することが出来ません。

木材の中に含まれている水分を減らし乾燥させる必要があります。

木は生き物ですので乾燥しながら反ったりねじれたり様々な変化をします。

変化をしながら余計な水分を減らし乾燥することで強度も増すことが出来ます。

その木材の乾燥方法として中澤建設では自然乾燥という方法を行っています。

自然乾燥とは東西南北に大きな開口部のある倉庫で桟木積みをし、自然の風に当てながら時間をかけて行う乾燥方法です。

人間で例えると気持ちいい風にあたりながら昼寝をしているイメージです。

自然乾燥は置いておく広い場所と、何年もの時間が必要になります。

しかしここは木にとって一番ストレスの少ないことを優先しています。

一般的な乾燥方法である人工乾燥は短時間に乾燥できるというメリットがありますが、大量の化石燃料を使用しますし、何より急激な乾燥は今まで伸び伸び成長してきた木にとって大きなストレスがあると私は思います。

自然乾燥の場合、乾燥期間は材種、製材仕上がり寸法、使用目的により異なりますが、平均的には1~5年の長期間行います。

材木の乾燥状態を確認する方法として高周波木材水分計を用いて計測しています。

水分計で測る含水率は、梁・桁・柱などの主要構造部材は15~20%、床板・木枠・家具に使う木材は12%以下と決めており、使用直前に含水率の測定を行い、材料の使用可否を決めています。

乾燥を行う際に重油を使用しない乾燥方法の為、CO²の排出がなく環境に対して負荷をかけずに木材を乾燥する事が出来ます。

乾燥機で行う人工乾燥に比べて短時間での乾燥は出来ませんが、急激な強制乾燥を行わないので、木が持つ樹液が蒸発することはなく、余分な水分のみを排出しながら木にとってストレスのない乾燥をする事が出来ます。

木が持つ樹液には、シロアリを防ぐ効果があります。そして木の香りを残す事で、住む人に安らぎを与えます。

乾燥に時間がかかってしまいますが、長期の乾燥期間中にお客様に実際にご自宅で使用する木材を見学していただくことができ、一本一本の大切さと尊さを感じていただくことができます。

住宅に使用された後も、調湿をしながら、伸縮を繰り返しお客様の家の中で生き続けます。

木には人間と同じように生きた年数の証として樹齢があります。

この樹齢と同じ年数をかけて乾燥しながら強度が増すと言われており、お客様と共に生きながら強くなりお客様の命を守ることが出来るのも自然乾燥木材の特徴であると考えます。

自然乾燥をした木材は、鉋(カンナ)のかかりがよく、手で触れた時のさわり心地がとても気持ちが良いのです。

お客様にそれを一番感じてもらえるのは、床板ではないかと考えています。

足の裏は人と木を繋げて、いつでも木のぬくもりを感じることが出来ます。

自然乾燥木材の上を裸足で歩いた時に毛羽立ちのない滑らかな肌触りと、本物でしか味わえない心地よさを感じることが出来ます。

その他、建具や窓枠、カウンターやテーブルなど
手のひらで木のぬくもりを感じることが出来る場所にも自然乾燥木材を使用しています。

●自然乾燥をしている木材と期間●

中澤建設では、長期自然乾燥保管した二つと同じものがない木材の中からお客様に合った一点物を選ばせていただき、その材料が一番生きる場所で使用します。

杉角材梁や桁の主要構造部に使用しています。乾燥期間は寸法により異なりますが、2~5年が目安です。
自然乾燥によりきれいな赤色の木目を残すことが出来ます。
杉平板建具や収納の棚板、カウンターに使用しています。乾燥期間は1~2年。
栗板オリジナルフローリングに使用しています。時間が経つことで味わいが出ます。
木の硬さも丁度よく、裸足での感触もとても心地良いです。
足の裏で木のぬくもりをいつでも感じることが出来ることや、
経年変化による深みのある味わいが中澤建設の家づくりを象徴するものであり、
その変化を感じ楽しんでいただきたいと考えています。乾燥期間は1年~1年半。
ケヤキ玄関の上り框、カウンタ-に使用しています。乾燥期間は5~20年。
硬く、個性のあるきれいな板目が特徴です。

地域材や国産材を使う事で海外木材に比べて輸送にかかるエネルギーを大幅に減らす事が出来ます。

地域材や国産材を使うことで、森林の光合成に協力することが出来て、自然災害から地球を守ることが出来ます。

地元の山林を守る自伐型林業をやられている方と連携を図り、地域の山を守る活動を行うと同時に、製材も自社で行い、運搬によるCO²削減の効果と地域の雇用を考えた事業を模索しています。

墨付け

乾燥後、製品となった木材を家のカタチに組立てる前の作業です。職人が1本1本の木材を見て、触って、木の状態を確かめながら行います。

適材適所に合った木材を選べる事が最大のメリットです。

手きざみ

墨付けした木材を加工する作業です。木材と木材をつなぎ合わせることを継手(つぎて)と言います。

一般的な継手は機械でつくる事が出来ますが、手きざみでしか出来ない継手をつくります。一般的な継手に比べて、3~4倍の強度になります。

丸太加工も手きざみでしか出来ない作業です。丸太のまま使うことは木が育ったカタチのまま使うことになり、強度をそのまま生かす事が出来ます。

そして、世界に同じものが二つとない曲線美を表現します。

手加工(木枠・床板)

家の中でよく見かけ、肌で感じることがある窓枠、床材などの木部を※新建材を使わずに職人が手で加工します。ホンモノの木材にしか出せない質感と風合いを感じる事が出来ます。

※ 新しい材料や製法によって作られた建築材料

建方

墨付け、手きざみをした木材を組み立てる作業です。

特殊な継手や丸太組は、組み立てる時間はかかりますが、家づくりの骨組みとなる作業ですので慎重に行います。

上棟式

木材を組み、骨組が完成したあとに行います。建築儀式・様式は様々であり時代の変化とともにかわりつつあります。

上棟式は魔除けのため、幣束(へいそく)を鬼門に向けて立て、四隅の柱に酒や塩、米などをまき天地四方の神様を拝みます。

今は省略される事もありますが、無事に骨組が完成したことを喜び、感謝して工事の安全祈願をする大切な儀式だと思います。

床板は自社で自然乾燥したクリやサクラなどの地産材を使います。

湿度の変化により、日々動きのある床の上を裸足で歩くことも木を感じるひとときになります。