下積み時代

こんばんわ!
中澤やすゆきです!

どんなことにも

下積み時代ってありますよね。
僕は大工なので、

21歳に専門学校を卒業してから

安中市で修行させてもらった5年間は、

まさに下積み時代って感じです。

初めての現場はリフォームでしたので、

解体作業でした。

兄弟子に
「ここを壊しておいて」と言われ、
壊してみれば、
「壊し過ぎだ」と怒られ、
親方からは、
「ヤスにやらせるな」と
兄弟子が怒られ、
結果、現場掃除🧹の毎日。

親方と兄弟子の会話で、
「天井の高さを八尺五寸にしよう」
この二人は何語を話しているのだと、
ボーッと聞いていたら、
「現場にカカシはいらねんだよ」
と怒られ、いつもの現場掃除🧹。

現場掃除は本当に大切な作業ですので、

それも修行のひとつなのですが、
当時は、なかなかそういう風には思えませんでした。

今、地元倉渕で改修工事をしています。

築44年の建物を構造材の骨組みだけを残して、
耐震補強をし、

断熱・気密などの性能も

新築と同様にする
大規模な改修工事です。

本来でしたら、

解体作業は解体屋さんにお願いするのですが、
この建物は、中澤建設で行なっております。

理由は2つ。
ひとつは、解体しながら建物の状態を

確認したかったからです。

手作業での解体ですので、
細かな部分も確認できますし、
その都度、対処を考えられます。

そしてもうひとつが、
この2人がつくった建物だからです。

この建物に現在住まわれているのは、
44年前に新築したお客様のお孫さんなのです。

工事が始まる前のお打ち合わせでは、
新築にする案もあったのですが、
お悩みになった末に改修工事に決まりました。
その理由をお聞きしますと、
「おじいちゃんがつくって、
 私が引き継いだこの家。
 安全に快適に生活できるのであれば、

 このまま大切にしたい。
 しかも、つくってくれた人が
 直してくれるからいいですよね。」
とおっしゃっていただきました。

この家も、

作業する僕たちも

幸せものですね。
家を大切に考えてもらえる。
その気持ちが何より嬉しいですね。

解体作業は楽な仕事ではありませんが、

つくった人も僕も

愛情をもって壊しています。
解体作業をしていたら、
柱にこんな加工がしてありました。

なんだか模様になっています。
初めて見るものなので聞いてみますと、

塗壁がくっつきやすくなる加工である。

との事でした。

すると

社員大工の原田さんが笑いながら、
「俺の仕業だよ」と。

当時、21歳の原田さん。
下積み時代のこの作業を

よく覚えていると言っていました。

笑いの中に、つくった人の思いを感じました。
その思いはカタチになり、
またこの先何十年と残っていくことを
嬉しく思いました。