味わい

こんばんわ!

中澤やすゆきです!

みなかみ町の現場では、内装屋さんが下地の石膏ボードの溝を平らに処理するパテ下地が終わったところです。



このタイミングで、原田さんと僕の

中澤建設大工チームは吹き抜けの

手摺りを取り付けるのでが、

その前に大切な作業があります。

この家のシンボルでもあります、

梁丸太の掃除です。

上棟してから今まで、

工事のほこりをかぶってきましたので、ここで一度きれいに掃除しておきます。

濡れた雑巾で拭くのですが、



丸太が光る様子を見ていますと、

拭くというよりは、磨くと言った方が合っている気がします。

この丸太は、赤松の木です。

仕上げに柿渋を塗りました。


僕は木になる果物で、

柿が1番好きなんです😊

小学生、中学生の頃は、

秋になると、

学校帰りに道端の柿を頂戴して

かじりながら帰っていたものです。

甘柿はそのままいけますし、

渋柿は干し柿にすると絶品、

材木ですと、木目に黒い模様が出ることが稀にありまして、

「黒柿」なんて言ったら、

高級木材です🪵




母親の話ですと、

「柿は万病に効く」と言っておりますし、柿渋を天然塗料として使えるのですから、

「柿」って最強なんじゃないでしょうか!

柿渋を木材に塗布することで、

時間が経つにつれ深みのある色合いになります。

そこに窓から入る陽射しの照り返しを受け、日焼けをする松丸太。

乾燥により程よく割れも入って、

味わいのある梁丸太になりました。

こうして丸太を見ていますと、

太さも曲がり方も違いますので、

改めて天然素材であることを感じます。

「どうすればこんな曲がり方をするんだろうか?」

「どんな成長の過程で、このコブが

出来たんだろうか?」

なんて考えだしますと、

本当に面白く感じ魅了されます。

この梁丸太ですが、少し曲がっている方が丸太同士を組み合わせるのに都合がいいんです。

ですが、僕が丸太を仕入れる製材屋さんは、

「曲がった丸太は

はじかれてしまうから、

市場に中々出てこないんだよ」

とよく言っています。

曲がった丸太は、角材の製品にすることもできませんし、

出来たとしても

もともとの曲がり成りに、反ってしまいますので、あまり求められるものではないのかもしれません。

ですが、

育ったままの姿で必要とされて、

今この場所で、力いっぱい生きている梁丸太がいます。

この先も、焼けや小さな割れなどの

経年変化をしながら、

この家を支えていく事が

この木の人生なんです。


人と木は本当によく似ています。

そして、僕も曲がった木なんだと思います。

でもこうして、

お客様とお会いすることが出来て、

日々、家づくりをさせていただいてお
ります。

人生もまだまだ、やっと半ば、

本当の渋みも甘みもこれから先に

味わうのだと思います。

色々な経験をさせていただき、

たくさん勉強して、

程よく日焼けしながら、

笑いジワを増やしていきます。

そして、曲がり成りにも

強い信念を持って、

自分にしか出来ない家づくりを

続けていこうと思います。