はじまりの合図

こんばんわ!

中澤やすゆきです!

3月22日の金曜日、中澤家の長男が無事に小学校を卒業することができました。自分の時は、父親が卒業式に来ることはありませんでしたが、6年生の皆さんの晴れ姿を見たいと思い、僕も出席させていただきました。

後方にある保護者席に座り、会場を見渡すとその厳かな雰囲気に自然と背筋が伸びる感覚です。卒業生が入場する前に在校生が、

「起立、注目、礼」や卒業生に贈る歌の練習をしている様子を見ていますと30年前の自分の卒業式を思い出し懐かしさを感じます。

子供の頃から泣き虫ではありましたが、年齢のせいもあり最近はちょっとした事で涙腺が緩みます。息子の卒業式となれば恥ずかしいくらい男泣きしてしまうだろうと、相当な覚悟でのぞみました。

式も始まり、入場してくる卒業生のたくましい姿に早々から感動ボルテージもあがる中、僕が座る席の前にまだ卒業がしばらく先になる低学年の子供たちが何やら小さな声で会議をしています。手で口を抑えて、笑いをこらえながら、友達と楽しそうにしている姿が可愛いくて微笑ましく感じます。

僕も昔は、親の居ないところでふざけていましたし、卒業する息子だってこの子達の頃は同じような感じだったと思います。この子達にしてみたら卒業式は特別な日ではなく、友達とケラケラしているのが楽しい学校生活の1日です。盛り上がるのは当然で、それに乗っかってくる友達もいれば、注意してくる友達もいて、先生に叱られて、こういう時はふざけちゃダメなことを知る、この学びによって人は成長していくのだと思います。

学校では勉強もたくさん教えてもらえますが、勉強と同じくらい社会で生きていく為に必要なことも教えてもらえます。それも1人ではなく仲間と一緒だからいいんです。相手がいるから思いやる気持ちも生まれます。こう考えると小学校で過ごす6年はとてもかけがえのない時間であることを感じます。

所属するサッカーチームでも昨日、卒団式を行っていただきました。本当ならば親子サッカーで締めくくる予定になっていたのですが、空も雪というカタチで祝福してくれましたので、体育館で親子ドッチボールを行いました。親子ドッチボールと言えば聞こえがいいですが、言うならばおじさんとおばさん対フレッシュな若者がボールをぶつけ合う戯れです。

子供が投げるやさしい球をキャッチする訳でもなく、避ける訳でもなく、

「ギャー!キャー!」と背中で受け止めてばかりの妻はドッチボールをどんな競技だと思っているのか不思議に感じます。

少し慣れてくると、ドッチボールらしくなってきて、レクリエーションとはいえ笑顔の中にもチカラが入ります。僕のような運動不足のおじさんとは違い監督やコーチはさすがの動きです。普段は子供がサッカーをしているところを見守っている保護者、指導をしてくださる監督とコーチが子供たちと一緒になって1つのことで楽しめる環境は素晴らしいことだと感じます。

夜は会場を変えて、カラオケボックスのパーティールームで卒団式です。長男も含め、卒団する4人の選手を様々な企画で楽しく盛り上げてくれました。

長男は1年生から入部させていただきました。試合に出させてもらっても、何をしてよいかわからずに走り回っていた低学年、それから流行り病で活動ができなくなり、ようやく活動再開できると思えば選手の人数が減少してきたことで、隣り町のチームと合同チームになったりと様々な環境の変化がありました。

環境の変化は、長男に限らずその場に携わる皆さんに直面し、それは大変なことだったかもしれません。しかし、その変化によってプラスになったことが必ずあると思うんです。それは、共に戦う仲間が増えたこと、指導者の方が増えたことによりサッカーの見方が変わること、知らない世界を知れること、悩み苦しむ時間もあると思いますが、全ての経験が自分の成長に繋がります。子供達だけではなく、保護者も同様で本当にたくさん学ばせていただきました。

この経験は、これから先にある人生のステージで大きな支えになるものです。だからこそ、積み上げてきた時間がすごく大切で尊いものになるのだと感じました。

中澤建設にも、長年働いてきた会社を卒業した職人さんが3月1日から入社してくれています。中澤建設は大工工務店ではありますが、その方は大工さんではありません。設計士さんでもなければ、現場監督さんでもありません。

中澤建設で家具と建具を専門につくってくれる木工職人の中澤知彦さんです。苗字は偶然一緒なので、みんなで『ともさん』と読んでいます。家づくりにおいて、僕達大工と同様に木に触れて、木を加工し、木と共に仕事をする唯一の職を生業としている方です。

家具建具職人さんなら誰でも良かった訳ではありません。ともさんでなければいけませんでしたし、どうしても一緒に仕事をしたいと思いました。それは協力業者さんとしてではなく、同じ会社で、同じ目的を持ち、同じ夢を追いかけたいと思ったんです。

正直に言いますと、口説くのに3年かかりましたし、フラれた回数も一度や二度ではありません。しかし、諦めの悪い男中澤、そう簡単には折れません。中澤建設にとって絶対に必要な人財でしたので、恩人の方にも協力していただき、想いが伝わる結果となりました。

学校も会社も卒業することは、ひとつの区切りだと思います。これはつまり、始まりの合図だということです。これから新しい環境で新たな出来事が起こる時に一緒に乗り越えてくれるのが仲間の存在なのだと思います。だからこそ、誰とどう過ごすのかが大切なのだと皆さんからいただいた贈る言葉と贈る想いから気付かせていただきました。