味の違い

こんばんわ!

中澤やすゆきです!

その日の仕事内容や現場の場所によって違いはありますが、毎朝6時くらいに自宅から50m離れた場所にある事務所に行きます。僕が事務所の鍵を開けることもたまにはありますが大抵は父親が先です。父親は、大切な差し歯を守るために、指に塩をつけて歯ぐきを磨き、その後に歯ブラシで歯を磨くといった入念なお口のメンテナンスをしています。

僕はと言いますと、冷蔵庫で冷やしてあるトマト🍅を丸かじりして、至福の時を過ごしています。事務所にあるトマトは、直売所から購入したものや売り物にならないと生産者の方からいただいたものなど様々ありますが、その全てが倉渕産のトマトです。

姿形は似ていても、育てられた人が違えば味も食感も全然違います。少し緑がかっているトマトも赤く熟したトマトに引けを取らないくらい甘かったりしますので、こればかりは食べてみないとわからないことです。

事務所の冷蔵庫に入っているトマトは、育て方が上手な生産者の方がつくられたものなので、全て美味しいのですが、スーパーマーケットに並んでいるトマトの味を見た目で判断することは、とても難しいことだと感じます。

こうなってきますと、

「あの人がつくったトマトが食べたい」

「あの直売所に行けば美味しいトマトがある」という気持ちになります。スーパーマーケットや道の駅に行くと、売り場に生産者の名前が書いてあったり、写真が置いてあったりすることもあります。消費者である僕たちにとってはとてもありがたいことですし、やっぱり作っている方の顔や名前が見れることでファンも増えていくのだと思います。

こんな風に事務所でトマトについて父親と語り合い、コーヒーを飲みながらその日の段取りや準備をしていると出発の時間が迫ってきてしまいます。一旦家にもどり、朝食を食べようと思うのですが、その時間が無くなることが多々あります。

時間の使い方が下手だとは認識しておりますが、こんな時は妻におにぎりをつくってもらいます。

「おにぎりだけじゃ栄養ないんだからビャッと食べちゃいなよ〜」

と言われ、

「トマト食べたから大丈夫」

と返すと、

「バカじゃないの?トマトだけじゃ栄養取れないよ」と言いながらおにぎりをつくってくれます。

現場に向かう道中につくってもらったおにぎりをいただく訳ですが、これがまた、なんとも柔らかくて旨いんです。少し前に同じようなシチュエーションで妻におにぎりをお願いしようと思ったのですが、なんだか頼みづらい空気感だったので、自分でおにぎりをつくりました。

多少味付けは違うかも知れませんが、妻がつくってくれるのと同じ見た目ですし、米も海苔も作った場所も同じです。ただひとつ、不思議なことに柔らかさと美味しさが全然違うんです。この感覚は食べた本人しかわからないかもしれませんが、人の手でつくられたモノはこういうことがあるのだと思います。

人の手でつくられるものは、その後に食べる人や使う人、人から人に渡る時に思いが込められるものです。その思いがあるかないかで当然出来上がるものも違ってきます。のろけになってしまいますが、つまり妻のおにぎりが美味しい理由はそうゆうことなんだと思いますので感謝しております。

改修工事でお客様の家に洗面カウンターやテレビ台に倉庫で自然乾燥をした木材を使用させていただきました。その際にどんな木の種類で、どんな型をしていて、厚みがいくつで、色が何色でなどの説明はしておりません。

お客様とお話をしていればどんな雰囲気がお好きはわかりますし、

「木のことはよくわかりませんから、おまかせします」と言っていただけます。

おまかせという言葉は、お客様が僕を信用してお伝えくださったとても責任のある重い言葉だと思います。それと同じくらい、いやそれ以上にお客様からのお気持ちに対する嬉しさを感じます。

ここから僕は倉庫に入って木材を見つけます。選び方に決まり事がある訳ではありませんし、目当てがあって探す訳でもありません。ただその時は無心になってお客様の家に合うものを見つけるのですが、この時間が僕には宝探しのようです。

「これだ」と思える木材が見つかりましたら、加工に進むのですが、これもまた決まり事がありません。目の前にある木の状態を見て、木目を見て、お客様にとっての使いやすさ、木が美しく見えることを考えながら進める作業は楽しみの瞬間です。

木を使う家づくりは、中澤建設のおおきな特徴です。だからと言って、木を使えればそれで良い訳ではありません。お客様には木と共に生活していただく訳ですから、お客様が木を見て木に触れながら、お客様と木が笑顔で暮らしている様子を思い浮かべながら、木と向き合いたいと思います。